 1988年夏、札幌。 伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が事件の発端だった。 次々と連続する、華美で妖艶な不可能犯罪! 吝家を覆う殺意の霧は、濃くなるばかり。 心臓に持病を抱える、若き推理の天才・南美希風が、悪意に満ちた魔術師の殺人計画に挑む。(帯より)
<魔術には魔術で。絢爛には絢爛で>
評判が良いんだか悪いんだか微妙な作品ですが、私はとても楽しめました!
奇術師の屋敷で起こる、魔術としか考えられない不可能犯罪。 これまで大仰に感じていた文章が幻想的な雰囲気と合っていて、とても読みやすかったです。 およそ900ページの分厚さですが、前2冊よりよっぽど熱中して読めたかも。
次々と密室が現れるのですが、探偵がトリックを見破るのが早くて驚きました。 1つ解決しては、ハイ次の密室〜という淡々とした流れなので、ストーリーとしての勢いは感じません。 でも、そこで「犯人がわざと解かせているのでは?」という心理戦が加わる点が、とっても私好みでした。 密室トリックもあまり強引な印象はなく、細かくチェックすればするほど、よく出来ているなぁと感心してしまいました。 相変わらず物理トリックの説明が解り辛く、特に鍵の状態を理解するのに苦労しましたが・・・。 もう少し図解があれば親切なのになぁ。
伏線もバッチリで、珍しく最後まで気持ちよく騙されました。 記憶に残る一冊ですが、何しろ分厚いし、ストーリーを重視する方にはオススメできません。 私もこれが初めての柄刀作品だったら、絶対途中で投げ出していたでしょう。 | |