2008年06月16日

密室キングダム/柄刀一 ★★★★☆


1988年夏、札幌。
伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が事件の発端だった。
次々と連続する、華美で妖艶な不可能犯罪!
吝家を覆う殺意の霧は、濃くなるばかり。
心臓に持病を抱える、若き推理の天才・南美希風が、悪意に満ちた魔術師の殺人計画に挑む。(帯より)


<魔術には魔術で。絢爛には絢爛で>


評判が良いんだか悪いんだか微妙な作品ですが、私はとても楽しめました!

奇術師の屋敷で起こる、魔術としか考えられない不可能犯罪。
これまで大仰に感じていた文章が幻想的な雰囲気と合っていて、とても読みやすかったです。
およそ900ページの分厚さですが、前2冊よりよっぽど熱中して読めたかも。

次々と密室が現れるのですが、探偵がトリックを見破るのが早くて驚きました。
1つ解決しては、ハイ次の密室〜という淡々とした流れなので、ストーリーとしての勢いは感じません。
でも、そこで「犯人がわざと解かせているのでは?」という心理戦が加わる点が、とっても私好みでした。
密室トリックもあまり強引な印象はなく、細かくチェックすればするほど、よく出来ているなぁと感心してしまいました。
相変わらず物理トリックの説明が解り辛く、特に鍵の状態を理解するのに苦労しましたが・・・。
もう少し図解があれば親切なのになぁ。

伏線もバッチリで、珍しく最後まで気持ちよく騙されました。
記憶に残る一冊ですが、何しろ分厚いし、ストーリーを重視する方にはオススメできません。
私もこれが初めての柄刀作品だったら、絶対途中で投げ出していたでしょう。
真相に触れています。
posted by めみ at 16:08| Comment(2) | 柄刀一

2008年06月11日

fの魔弾/柄刀一 ★★★☆☆

浜坂憲也は二体の銃殺死体と共に、マンションの一室で発見された。
ドアも窓も完璧に施錠され、誰かが出入りした形跡は皆無。
殺人罪で起訴された憲也は犯行を全面否定、しかし裁判でも重要な何かを隠している・・・。
求刑の刻が迫るなか、南美希風は旧友の無実の証明に乗り出すが、自らも絶体絶命に・・・。(本書あらすじより)


<どこまでが操りだ?>

これも手強かった・・・。
クドイほどの細かい描写と大仰な表現にはなかなか慣れませんが、事件はやっぱり奇妙で面白く、真相は意外で驚きました。

でも、これ、もっと短くてもいいよなぁ・・・。
不要なエピソードが多いのですよ。
しかも、読んでる時に「あ、これ絶対不要だ」と気付いてしまうのです。
伏線の張り方が不自然なのか・・・?
文章も淡々としているので、緊迫感や焦燥感が伝わらないのも、冗長に感じた原因かな。

最後まで読んでも、一体「f」が何を指すのか解らなかったのですが、裏表紙に書いてあったのですね。
「友(friend)信頼(faith)事実(fact)」だそうです。ほぉ。

さて・・・次は『密室キングダム』だ・・・。
真相に触れています。
posted by めみ at 16:53| Comment(0) | 柄刀一

2008年06月03日

OZの迷宮/柄刀一 ★★★☆☆


被害者は密室において矢で殺され、あるいは自分の描いた絵の中で溺れ死に、さらには半人半馬の神話内生物として発見される。
犯人は閉じこめられたまま殺人を犯し、わら一本を残して密室を構成し、足跡を残さず雪道を歩く。
そして探偵は・・・!?
本格推理の魅力を余すところなく注ぎ込んだ、圧倒的な傑作!
柄刀ミステリー最強のカタストロフィー!!(本書あらすじより)


<だが、作ったものなら壊してみせるさ>

初・柄刀作品です。
以前からアンソロジーで見かけて、とっても興味のあった柄刀さん。
『密室キングダム』がどうしても読みたくなって、とりあえず南美希風シリーズ(他に『fの魔弾』)3冊を借りてきました。

ウキウキしながら読み始めたのですが・・・。文章が合わない・・・。
数ページ進んではそっと栞を挟みポテッと寝てしまうのを繰り返し、読み終わるのに1週間もかかってしまった。
これは物理トリックが苦手とかの問題ではないと思う。
アンソロジーでは、気にならなかったのに・・・なぜ?

「絵の中で溺れた男」「イエローロード」は既読。
いくらなんでもバレるだろ!とツッコミたくなる偽装もあるし、どれも想像しづらいので推理はできないけれど、ロジックは好みなんですよね。
お気に入りは「わらの密室」「イエローロード」かな。
「本編必読後のあとがき」を含む、ストーリー展開にも驚かされます。
残念ながら『オズの魔法使い』にはピンとこなかったのですが。

あ〜でも、どうしよう。
チラと横を見ると『密室キングダム』が、でんっと待ち構えてる。
この文章で900ページは耐えられないかもしれない。
・・・とりあえず『fの魔弾』を読んでから考えよう。
posted by めみ at 17:27| Comment(0) | 柄刀一