2008年09月10日

モザイク事件帳/小林泰三 ★★★☆☆


犯人当て、安楽椅子探偵、日常の謎、バカミス・・・ミステリでお馴染みの7つの「お題」を解くのは、マッドサイエンティストに記憶障害の探偵、超天才殺人者!
一筋縄ではいかない狂った事件、犯人、探偵を巧緻な論理で寄せ木細工(モザイク)のように組み上げた、叙述トリックの名手としても知られる鬼才の真骨頂。
精密な論理が、そこはかとない黒い笑いを構築する待望のミステリ連作集。(本書あらすじより)


<わしは岡崎徳三郎だ。徳さんと呼んでくれ>

倒叙モノや安楽椅子探偵、SFなど、色々と奇妙なミステリが味わえる短編集。
「大きな森の小さな密室」のみ既読だったのですが、『密室・殺人』よりも先だったので、徳さんがあの徳さんだったとは驚きました。
他にも、まさかあの人が・・・というキャラが探偵役になってたりして面白いです。
谷丸警部や西中島巡査の登場も嬉しいなぁ。

「更新世の殺人」のバカミスっぷりは好み。シュール。
「正直者の逆説」の「わたし」と先生との会話が愉快だけれど、結局何の意味もないやりとりだと判明して脱力・・・。
印象に残ったのは「遺体の代弁者」「路上に放置されたパン屑の研究」かな。

未読の作品の登場人物に関してはやっぱりモヤモヤが残りますね。
とりあえず『家に棲むもの』は読んでみよう。
posted by めみ at 13:43| Comment(2) | 小林泰三

2008年04月21日

密室・殺人/小林泰三 ★★★★☆


「息子の容疑を晴らして欲しいんです。嫁の浬奈殺害の容疑です」
四里川探偵事務所に持ち込まれた依頼をうけ、所長は助手の四ツ谷礼子に事件現場である亜細山中の別荘に向かうよう命じた。
雪の夜、密室と化した部屋に閉じこもっていたはずの浬奈が、窓の下の凍った池に墜死したというのだ。
だが奇妙なのは事件だけではなかった。究極の新本格ホラー推理誕生。(帯より)


<あなたは誰?><僕は味方>

「新本格推理とホラーを融合させた初の長編」とのこと。
個人的には、三津田作品ほどの「融合」ではなかったかな。

これまでに読んだ小林作品とは雰囲気が違って驚きました。
四ッ谷礼子の関西弁がゴツすぎて、まるでオッサンなのが気になりましたが、四里川探偵や谷丸警部との会話がとても楽しいのです。

ある女性が部屋へ入った数分後、外の河原で死体で発見される。
窓は施錠してあり、ドア側には3人の目撃者がいて、密室状態になっていた。
死因が事故でも他殺でも自殺でも、密室からどうやって落ちたのかという不可解な謎が残る。

ページ数が多いのに、事件が1つしか起こらないので、少し冗長に感じてしまったかな。
そして、その真相も予想通りで目新しさは感じません。
でも、この作品のサプライズはそこじゃない。
これまた違う方向からガツン!とくるのです。

ミステリとしては評価に困るのですが、と〜っても私好みの作品でした。
真相に触れています。
posted by めみ at 16:37| Comment(2) | 小林泰三

2008年04月17日

肉食屋敷/小林泰三 ★★★☆☆


ジュラシック・パークに刺激された研究者が、6500万年前の地層の中にあるDNAから地球外生命体を復元してしまう「肉食屋敷」、西部劇をモチーフにゾンビの世界を描いた「ジャンク」、人間の一途な愛が恐怖を生み出す「妻への三通の告白」、自分の中にあるもう一つの人格が犯した殺人に怯える「獣の記憶」を収録した小林泰三傑作短編集。(帯より)

<怖がってはいけない>


小林作品は、短編の「玩具修理者」「攫われて」「大きな森の小さな密室」を既読。
ラストではそれまでのグロ描写が吹っ飛ぶくらいのサプライズが用意されているので、ずーっと気になっていた作家さん。
本書もトリッキーな短編集でした。

最初に身構えてしまったので、思ったより真相が読める作品が多かったのですが、どれもゾワゾワと恐怖感が煽られます。
衝撃を受けたのが「獣の記憶」
ありがちな内容だしありがちな展開だし、これもなんだかな〜と思ってたら、ラストで呆然。
一度読んだだけでは、何がなんだか解らなかった。
伏線が憎たらしいくらい巧妙なのですよね。
気持ち悪い描写が満載なのに、再読が苦にならないのがスゴイです。

ホラー短編集だと思ってたらSF風味でした。
そのため、若干説明臭くなってしまったのが残念かも。
真相に触れています。
posted by めみ at 18:21| Comment(0) | 小林泰三