2008年04月03日

狐火の家/貴志祐介 ★★★★☆


『硝子のハンマー』から4年。
弁護士・純子&防犯探偵・榎本、堂々のカムバック。
ますますヒートアップ!
ちょっぴりファニーなコンビが4つの密室に挑む傑作ミステリ。(帯より)


<また、密室>

『硝子のハンマー』の印象がとにかく薄いので、あまり期待せずに読み始めましたが、これはいい!私好みのミステリでした。

「狐火の家」
主人公が帰宅すると、娘が殺害されていた。現場は密室としか考えられない状況で、榎本が導き出した真相とは?

2つ目の殺人は少々強引に感じましたが、ロジックがとても丁寧で、真相解明にはワクワクしました。
「黒い牙」
愛するペットに襲われ死亡した男性の妻に、ペットを引き取ると主張する男性の友人。2人の仲裁に入った純子だが、男性の死に疑問を抱き・・・?

アレがもんのすごく苦手な私としては、読み進めるのが本当〜に大変でしたが、ラストで不覚にも切なくなってしまいました。
「盤端の迷宮」
ホテルの一室で殺害された棋士。部屋は鍵だけでなく、チェーンまでかけられていた。警察に協力することになった榎本は、部屋に置いてあった将棋盤に注目する。

「なぜチェーンをかけたのか」という謎の真相が好みでした。
「犬のみぞ知る Dog knows」
知り合いの劇団員に相談され、座長の殺人事件を調べることになった純子。容疑者はその劇団員を除いて2人。しかし、座長は犬を飼っていて、1人は犬アレルギー、もう1人は犬と対面すると吠え立てられる。そして、事件当夜、犬の吠える声は聞こえなかったらしい。

この作品だけ、異様にシュールな雰囲気で、もう笑った、笑った。
事件は小粒ですが、登場人物の会話が楽しいです。

純子と榎本のコンビがとっても愉快。
このシリーズが楽しみになりました!
真相に触れています。
posted by めみ at 16:36| Comment(2) | 貴志祐介

2008年02月28日

新世界より/貴志祐介 ★★★☆☆


子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。
一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは・・・。
何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。(帯より)



<そこにあるのは、ただ剥き出しの恐怖だけである>

貴志作品は他に『硝子のハンマー』を既読。
本書は、1000年後の日本が舞台のSF小説です。

上巻は主人公・早季と仲間たちの学校生活や、冒険が描かれています。
全人学級や、呪力を使った競技など、ハリーポッターの雰囲気を感じました。

中盤まで主に世界観の説明が続くのですが、想像力が乏しく薀蓄が苦手な私は、少し苦労しました。
でも、物語が動き出してからは一気読み!
平和な世界の裏側を知った子供たち、「悪鬼」や「業魔」の存在、バケネズミ間の戦争、そして、諸刃の刃だった「呪力」・・・。
全てが、予想と違う方向へ、どんどん進んでいくのです。
下巻はあっという間に読み終わり、ラストの強烈なメッセージに深くため息をつきました。
真相に触れています。
posted by めみ at 12:15| Comment(2) | 貴志祐介