 神野亮司は幼い頃からある発作に悩まされていた。 それは、身近にいる人の感情が爆発した時、その人間の見た光景が脳裏に浮かんでくるのだ。 仕事上のミスをフォローしたのがきっかけで長谷川瞳と不倫関係になってしまった亮司は、ある日、得意先を訪れる途中で発作に襲われる。 亮司が知覚したのはプレスマシンに挟まれて圧死する男が絶命する瞬間に見た光景だった。 最後に見えた若い男の正体と現場近くに残されたカラスの死骸の意味するものが結びついた時、亮司は身の危険を感じはじめる。すべては長谷川瞳との関係を清算することで終わるはずだったのだが・・・。(帯より)
<忘れないで。きっと守るから>
前回の『鉄槌』よりは、面白かったです。 でも、雰囲気が似ていると感じるのは、またもや主人公がダメ男だからでしょうね。
発作が起こると、他人の感情を読み取ることができる能力を持つ主人公。 その力で殺人を目撃(?)してしまい、さぁここから面白くなりそうだとワクワク。 するとそこから、会社の後輩・長谷川瞳との不倫関係の描写がダラダラと続く。 全般に、主人公の能力を持つが故の苦悩が描かれてあるので、同じ能力を持つ瞳との出会いは必要なのかもしれないけれど、流れが断ち切られたようで拍子抜けしました。
そして、後半に進むにつれ、やっぱり失速してしまうのですよね。 母親の愛情や少年犯罪、心の傷など、それぞれの設定は面白くて、少し感動したりもするのに、巧く繋がってないのかチグハグな印象。 『鉄槌』でも思ったけれど、読後、「・・・だから?」と言いたくなっちゃう。
この作家さんの作品の主人公は、すべてダメ男なのだろうか? 登場人物に感情移入ができないのは辛いなぁ。 | |