ミステリ中心の読書メモ。コメントは何気に承認制です。
2008年06月17日
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 山野内荒野、12歳。 恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。 “恋”とは、“好き”とは? 感動の直木賞受賞第一作。(文藝春秋サイトより)
<いまだけ!恋は、いまだけ!>
私には、この瑞々しい感性が眩しすぎる。 もっと若い頃に読みたかったなぁ〜と、つくづく思う。 『七竈』のような文体なら好みなんだけど・・・。 特に琴線に触れることもなく、サラサラと読めてしまった。 | |
posted by めみ at 19:12|
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桜庭一樹
2008年02月15日
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 西暦1627年、ドイツ―魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは“アンチ・キリスト”に出会った・・・。 西暦2022年、シンガポール―3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシックワールドの昏い眠りの中、絶滅したはずの“少女”というクリーチャーに出会う・・・。 そして、西暦2007年4月の日本。 死にたくなるほどきれいな空の下で・・・。 3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。(本書あらすじより)
<・・・青い空を見たか?>
三部で構成されているのですが、第一部だけで一冊いけたんじゃないかな。 とにかく、マリーの話が抜群に面白いのです。
中世のドイツ、祖母と2人で水車小屋で暮らすマリー。 マリーには5歳までの記憶がなく、祖母は何か秘密を抱えている様子。 そんな頃、皇帝から遣わされた魔女派遣委員が町にやってきて、魔女狩りが始まる。
祖母の秘密とは?マリーが目撃した黒い男とは?突然現れた“アンチ・キリスト”とは一体? 独特の世界観、そして急展開にワクワクし通しです。 でも、もう少し読んでいたかったなぁ・・・スッキリしないし・・・。
第二部では、テンションがガクッと下がりました。 西暦2022年という、これまた微妙に未来な舞台なのですよね。 ここで語られる青年の苦悩が、全く理解できなくて、最後まで付いていけませんでした。
第三部で、突然現れては消えていく少女の正体が明らかになります。 まぁ、納得いくような、いかないような・・・。 少しずつ回収されていく伏線は、切なさも伴っていて満足ですが、少女が現れる意味や目的など、他にも謎が残ったままで、綺麗にまとまっているとは思えません。
第一部が面白すぎただけに、だんだん尻つぼみになってしまった印象です。 タイトルの意味が解った瞬間、脱力しました・・・。 | |
posted by めみ at 17:25|
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桜庭一樹
2008年02月13日
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 島の夏を、美しい、とふいにあたしは思う。 ・・・強くなりたいな。 強くて優しい大人になりたい。力がほしい。でも、どうしたらいいのかな。 これは、ふたりの少女の凄絶な“闘い”の記録。
<終われ、嵐。やってこい、凪>
無職で酔っ払っては暴力を振るう義父を憎む葵は、夏休みにクラスメイトの静香と親しくなる。 彼女は義父の殺害方法を教えてくれたのだが・・・。
学校での生活や、友人関係の難しさなど、共感できるエピソードもあるのですが、全体的にはやっぱり一歩引いてしまいました。 13歳の少女の犯罪小説なんて気が滅入りそうなものなのに、スラスラと読めてしまうのです。 ライトな雰囲気は好みなのだけれど、人物や心理描写に物足りなさを感じました。 『砂糖菓子〜』とちらほらカブっているので、シラけてしまったのもあるかも。 勿体無かったなぁ。
ラストは皮肉ですが、ホッとしました。 | |
posted by めみ at 17:05|
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桜庭一樹
2008年01月25日
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 山田なぎさ・・・片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。 海野藻屑・・・自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。 二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。 全ては生きるために、生き残っていくために・・・。 これは、そんな二人の小さな小さな物語。 渾身の青春暗黒ミステリー。
<だから平気。きっと全部、悪い嘘>
冒頭には、ショッキングな内容の新聞記事。 物語の結末が示されています。
砂糖菓子なんてタイトルなのに、ストーリーに甘さはこれっぽっちもない。 これから少女に起こる悲劇を提示した上で、そこに至るまでの出来事が淡々と描かれているという、まさに青春暗黒ミステリー。
生きるための「実弾」にしか興味のないなぎさと、砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる藻屑。 後に数々の事情を知るにつれ効いてくる設定なのだけれど、最初は海野藻屑(腐野花を上回る名前)の奇天烈っぷりに全くついていけなかったのですよね。 全体的に一歩引いた気持ちのまま、読み終えてしまいました。 (乙一だったら冒頭の記事は入れなかっただろうなぁ〜容赦ないし、とか考えてしまった。)
終盤の展開は、少し説得力が足りず、唐突な印象がありましたが、ラストでなぎさが語る想いはズシンときます。 そして、やっぱり表現力が凄い。 「砂糖菓子のテロリスト」も、この作品の中だからこそでしょうね。 表紙イラストがどうだろう?と思っていたけれど、読んで良かった。
あとがきが面白いです。 桜庭さんって、もっとスレた感じの人だと思ってたので意外でした。 オフィシャルサイトの日記も、可愛らしくて笑えます。 トップランナー、忘れずにチェックしないと。情熱大陸も。 | |
真相に触れています。
posted by めみ at 17:45|
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桜庭一樹
2008年01月13日
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 川村七竃は美しいかんばせを持って生まれた呪われた美少女。鉄道を愛し、孤高に生きる。 いんらんな母は、すぐに新しい恋におちて旅に出る。祖父と二人の日々。 周囲から常に注目される彼女が心を許すのは親友の雪風だけだ。二人でつくる鉄道模型の世界。完成された世界。 母のかつての男の訪問、噂をききつけたスカウトの誘い、可愛そうな大人たちの騒ぎはだんだんと七竈を巻き込んで・・・。 男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。(webkadokawaより)
<これはけして。遺伝では。ないよ>
『私の男』の強烈な余韻が残ったままなので、少し不安でしたが、こちらも非常に楽しめました。
母親が突然「辻斬りのように」男遊びをした結果、生まれた美少女・七竈。 まるで天上人のようなかんばせと、その出生の秘密に、息の詰まりそうな生活を強いられている。
物語はどこまでも盛り上がることはなく、地味に進むのですが、話の運び方が見事で、ページを捲る手が止まりません。 平凡な日々の中、少しずつ追い詰められていく七竈と雪風。 雪風に恋する後輩・緒方との、奇妙な三角関係。 七竈の母親が「辻斬り」を思い立った理由。 登場人物の心情を読み手に伝えるのに、どうすれば一番効果的か、そのセンスが抜群なんだと感じました。
独特の台詞回し、文章のリズム、全てがとても心地良いです。 せかいの外へ歩き出した七竈。 ラストも、ため息が出るほど美しかった。 | |
真相に触れています。
posted by めみ at 12:35|
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桜庭一樹
2008年01月10日
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 優雅だが、どこかうらぶれた男 一見、おとなしそうな若い女 アパートの押入れから漂う、罪の異臭 家族の愛とはなにか 越えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか? この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る・・・(帯より)
<だって、いまだって、一緒に逃げ続けているのだ>
・・・読後、しばらく言葉が出なかった。 最後まで、圧倒されっぱなしでした。
腐野(くさりの)花は24歳、花の男・淳悟は40歳。 花は9歳のときに震災で家族を亡くし、親戚にあたる淳悟に引き取られた。
第一章の花の結婚式から、物語は少しずつ過去を遡ります。 なぜ、花と淳悟は東京へと逃げてきたのか? 押入れには何が入っているのか? 2人の関係はどこから始まっているのか? 何が2人をそうさせたのか?
驚くような真相は用意されていませんが、何度も感情を揺さぶられて、苦しくなりました。 どうしても、眉をひそめてしまうテーマですが、最終章で、きっと2人はそういう生き方しか出来なかっただろうという説得力が感じられました。 家族になりたかっただけなんだろうな・・・。 第一章で結末を知ってしまっているだけに、ラストがやりきれない。
読み手を選ぶ作品であることは、間違いないでしょう。 でも、直木賞にはこれを選んで欲しい。 | |
真相に触れています。
posted by めみ at 23:00|
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桜庭一樹
2007年12月10日
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 ”辺境の人”に置き忘れられた幼子。 この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の”千里眼奥様”と呼ばれることになる。 これが、私の祖母である赤朽葉万葉だ。 千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。 高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。 ようこそビューティフルワールドへ。(本書あらすじより)
<さぁ、もっとだんだんの、上へ上へ>
第60回日本推理作家協会賞受賞作。
1953年から現代まで、3人の女性の生き様が描かれています。
第一部、万葉の不思議な力と波乱に満ちた人生が、とっても魅力的で夢中になりました。 万葉と豊寿のラブストーリーが淡すぎるほど淡く、その時代の風潮を一番感じることができたかも。 次の毛鞠の暴走時代では、若干置いていかれた印象がありましたが、思わぬ展開にワクワクし通しでした。 万葉や毛鞠の人生があまりにドラマチックなため、やはり瞳子の最終章は失速気味に感じましたが、ここが唯一のミステリ所。 「殺人者」というタイトルなのに、真相にはじ〜んとしました。
特異なキャラクターはともかく、完全な悪人が登場しないので、穏やかな気持ちで読め、読後感も爽快です。 長さを感じさせない、とても満足できる作品でした。 | |
真相に触れています。
posted by めみ at 09:50|
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桜庭一樹
2007年11月02日
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 東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。 校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。 そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。 今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。(amazonより)
<しかし、ぼくは何者にもなりたくはないのだ>
初・桜庭作品です。 上品だけれど、強弱のついた毒舌風の文体がとっても好み。 数行読んだ瞬間に、作品世界に入っていくことができました。
名門お嬢様学校にて、一癖も二癖もある女生徒たちが騒動を繰り広げる。 そして、異形の少女たちが異形の部屋に集い、暗黒の読書クラブ誌をまとめていく。 とにかく、第一章がもうツボど真ん中! 友達のいない烏丸紅子が、読書クラブの部長・妹尾アザミの指示で「不良少年」へと変身し、女生徒たちの憧れの的になっていく様子にうっとり。 彼女たちの言動がケレン味たっぷりで、きゅ〜んときます。 結末がまた潔くて、強烈な印象を受けました。
ミステリの要素が無くても満足できたので、次は『赤朽葉家の伝説』を読んでみよう。 | |
posted by めみ at 23:24|
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桜庭一樹
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