2007年05月24日

砂の城の殺人/谷原秋桜子 ★★★☆☆


高校生・美波は、またしても武熊がするはずだった「2日で5万円」のバイトを引き受ける。
仕事内容は廃墟専門カメラマン・瑞姫の助手。
しかし、目的の廃墟でミイラ化した死体を発見することに。
それは12年間行方不明になっていた瑞姫の母親らしい・・・?


激アルバイター・美波の事件簿シリーズ、第3弾とのこと。
失敗した〜。図書館にこの2冊しか入ってなかったから、てっきりこれが2作目だと思ってた。
2作目(『龍の館の秘密』)が好評なので、読みたかったのになぁ。

密室の館で起きる連続殺人事件ですが・・・今回は長すぎてちょっと乗れませんでした。
このキャラたちが動くのなら、もう少し短くてライトなミステリの方が楽しめたかも。
とても微妙な気分の読書でした。
でも、相変わらずプロローグはイイ味出しています。
途中で拍子抜けしそうになりましたが。
廃墟を「砂の城」と例えるのも綺麗だし、こういう細やかさは好きですね。
ああ、2作目が読みたい。
posted by めみ at 23:05| 谷原秋桜子

2007年03月05日

天使が開けた密室/谷原秋桜子 ★★★★☆


5年前に行方不明になった父親を捜すため、アルバイトに励む女子高生・美波。
バイト先でトラブルに巻き込まれ、クビになったあげく、60万円の借金を背負うことに。
そんな時、知り合いから「寝てるだけで一晩5千円」というおいしいバイトを紹介される。
しかし実は、葬儀会社の手伝いで、病室で亡くなった人を地下の霊安室まで運ぶという内容だった。
その上、密室殺人事件の容疑者にまでされてしまい・・・。


元々、2001年に富士見ミステリー文庫から刊行された作品で、ラノベ系ミステリです。

深夜の病院での遺体を運ぶバイト。
連絡用にと渡された携帯の着メロが「ゲゲゲの鬼太郎」で、これには笑いました。
遺体は重いし、時には血を吐かれるし、正社員にはイジメられるし、とても過酷。
でも、その「呼び出し」はバイト料プラス3千円ということで、美波は頑張るのです。
(呼び出しがなければ、家で待機するだけで5千円。つまり、寝ているだけで5千円。)
バイトといえど、美波の死者に対する敬意や接し方はとても好感が持てます。
そして、ある晩、霊安室で発生した殺人事件!
衆人環視の密室の中、犯行が可能なのは美波だけ!?

美波は事件に巻き込まれるだけで、実際に謎を解くのは近所に住む大学生・修矢。
無愛想で性格が悪いんだけれど、とびきり美形の修矢。
高校の友人で父親が警部の直海、家が大金持ちのかのこ。
この設定がいかにも少女マンガ風でベタなのですが・・・。

ミステリとしては、全体的に地味で犯人当ても簡単です。
だけど、「犯行の動機」は予想外でした。
ここで伏線が効いてくるのですね。

一番気に入ったのは、プロローグ。
読後、1ページ目に戻った瞬間、じ〜んとなりました。
「そういうことか・・・」って。
いろんな意味を指しているタイトルも秀逸。
美波のある行動が、真相と深く結びつく展開は見事です。

とてもライトな作風なので、書き込みも足りないし、現実的ではないシーンも多々あります。
でも、記憶に残るミステリでした。

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ときわ姫 > ライトノベルに現実的な文句を言うのは野暮だろうと思うのですが、めみさんなので甘えて言っちゃいます。
病室から霊安室まで遺体を運ぶのは、病院関係者の仕事で葬儀社はやらないでしょう。もしそういう病院があったら、入院するのは止めた方が良いとまで思います。
私の複数の経験では看護師さん達が、丁寧に遺体に対処してくださいました。葬儀社が関係してくるのは霊安室から先です。
葬儀社では、遺体に触れることが出来るのはベテランの社員です。それが出来るように、あこがれて頑張っている新米の人の話を聞いたことがあります。
良さそうな話なのに、惜しいです。もう少し現実的だったら読みたいところです。 (2007/03/05 21:51)
めみ > ときわ姫さん、ええと、説明不足でしたね〜。この作品の病院では、看護師長と葬儀社の裏取引が存在するのです。葬儀社の社員が病室や霊安室で遺族と接し、その後「ぜひウチの葬儀社で・・・」と申し出て、看護師長はその見返りに金品を要求する、という設定なのですね。それが大前提なので、葬儀社が運ぼうと、バイトが運ぼうと、何でもアリになっちゃうのです。なので、ときわ姫さんは読まない方がいいでしょう。他サイトの感想を見ても、そこに突っ込む方がいなかったので、これはこれで楽しめたら良いのかなと思うのですがね。ライトノベルですし。
でも、知識としては非常に助かります。葬儀社でもベテランの社員しか遺体に触れることができないのですね。考えれば当然の事なのでしょうが、勉強になりました。 (2007/03/06 18:41)
posted by めみ at 22:37| 谷原秋桜子