2007年09月28日

噂/荻原浩 ★★★☆☆


「ミリエルのローズをつけていると3ヵ月以内に恋がかなう」
「女の子をさらって足首を切り落とす、ニューヨークのレイプ魔が渋谷に出没。でもミリエルをつけている子は狙われない」
香水「ミリエル」を売り出すために、渋谷の女子高校生たちの口コミを利用した広告代理店。
その戦略は大成功だったが、噂どおりに女子高生の足首を切り落とされる事件が発生。
殺人鬼「レインマン」の正体とは?


<ちょっと前までは生きていたんだ。生きてりゃ別嬪だったかもしれない。お前にゲロを吐かれる筋合いなんてなかったんだ。>

さすがに「ハードボイルド・エッグ」のように、地の文で吹き出すことはありませんでしたが、刑事・小暮はなかなかユニークなキャラでした。
そのおかげで、凄惨な事件なのに、それほど重く感じませんでした。
ミステリとしては、犯人の描写がもっと欲しかったかな。
まあ、著者が書きたかったのは、あのラスト一行だったのでしょうね。
でも、ラストが凄い凄いと評判だったので、途中で解っちゃった・・・。
これ、予備知識がない方が良いです。
真相に触れています。
posted by めみ at 20:12| 荻原浩

2007年08月30日

サニーサイドエッグ/荻原浩 ★★★☆☆


最上俊平はフィリップ・マーロウに憧れる私立探偵。
失踪したペットの捜索が主な仕事。
ある日、和服を着た若く美しい女性から「猫捜し」を依頼される。
そして、ひょんなことから「ブロンドで青い目の若い」秘書まで雇えることになった。
おまけにヤクザの猫捜しや、付近で起こる動物殺傷事件など、最上はまたしてもトラブルに巻き込まれることに・・・。


<私たちはしばしカウンターの向こうとこちらで、人に不一致と言われるそれぞれの自己の中へ埋没した。>

『ハードボイルド・エッグ』続編です。
前作がとても切ないラストだったので、まさか第二弾が出るとは思ってませんでした。

あいかわらず、最上の語り口が面白くて、つい吹き出してしまいます63893
でも、それがなければ、退屈で最後まで読めなかったかも。
ページ数のわりに、内容が乏しいのです。
秘書とのやり取りも少ないので、もう少し描き込んで欲しかったなぁ。
少し物足りなさを感じました63909

ラスト一行は痛快です63733
真相に触れています。
posted by めみ at 16:08| 荻原浩

2006年11月16日

ハードボイルド・エッグ/荻原浩 ★★★★☆


「私」はフィリップ・マーロウに憧れ、日々ハードボイルドな生き方を目指している探偵。
実際は猫やイグアナ探しなど、主に動物専門の便利屋なのだが。
このたび、(下心たっぷりで)秘書を雇うことを決め、履歴書にダイナマイト・ボディの写真を添付してきた美女を採用することにした。
しかし、やってきたのは・・・?



<ねぇ、便利屋さん>
<探偵です>


初めての作家さんです。

ハードボイルド風ということで、霞流一さんと比べてしまうのですが、こちらは腹を抱えて笑うというよりも、常に「フフッ」と笑みがこぼれるような作品でした。
秘書・綾との掛け合いがとても楽しいです。
言い回しがユニークなのですよね。

事件はそれほど目新しいものではなく、少し中だるみを感じました。
ページが多すぎるかな。
しかし、ラストではしっかり泣かされました。
最初から予想していた真相なのですが、そこに「現実の自分との折り合いがつかない」主人公という設定が活かされているのがお見事でした。

最初と最後の数ページのイラストでまた涙。
文庫でもこのイラストは残しておいて欲しいなぁ。どうなってるんだろう。

終盤、「私」が小学生の男の子にかける言葉が良かったです。

<死ぬなよ。死ぬのは怖いぞ。一度、死にかけると、絶対死にたくなくなるぞ>

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まゆ > 軽めのテイストで、さくさく読みましたが、あのイラストにはやられましたね。最後、思わずうるっときてしまいました。文庫化しても、あのイラストは使ってほしいですよね。 (2006/11/16 19:28)
めみ > まゆさん、あのイラストの力は大きいですよね!最初は「変わった構成だなぁ」と思っていただけなのですが、最後のイラストとの対比が効果的で泣かされました。(私はその前の犬のシーンですでにうるうるだったのですが。)そして今調べてみると、どうやら文庫版にはイラストが無いとのことです!ショック!この有無だけで読後感が全然違うのに・・・。 (2006/11/17 15:18)
posted by めみ at 22:06| 荻原浩