2006年09月22日

過ぎ行く風はみどり色/倉知淳 ★★★★☆


一代で財を築いた元・不動産業者の方城兵馬が自宅の離れで殺害される。
その犯人を探ろうと、兵馬が頻繁に自宅に招いていた霊媒師が降霊会を行うことに。
しかし、そこで新たな殺人が!
兵馬と長年反目していた孫の成一は、大学時代の先輩・猫丸に相談するが・・・。


再読です。
倉知作品の中でも名作と評判の本書。
ストーリーはともかく、あるトリックがずーっと忘れられませんでした。
今では決して目新しくなくなりましたが、当時はド肝を抜かれたものです。
再読必要のトリックなので、今回は違った意味で楽しめました。
(しかし、図解まである2つのトリックは脱力モノです。)

長編といっても、猫丸先輩の登場は少ないのですよね。
中盤まで恐竜の化石を発掘に行ってるし。
でも真相解明シーンでは、彼の優しさに初めて(!)好感を持ちました。

しかし、何と言っても長いんですよね〜。
超能力や霊能力の薀蓄が盛りだくさんで退屈しました。
確か『壺中の天国』でも薀蓄にはウンザリしたような・・・。
posted by めみ at 21:46| 倉知淳

2006年09月20日

日曜の夜は出たくない/倉知淳 ★★★★☆


孤独な空中散歩者が空から落下したとしか思えない墜落死体。
少女と翌日公園で会う約束をした男は、なぜ凍死したのか?
163人の観客の前で毒殺された俳優。
気のいい恋人は、ひょっとして日曜の切り裂き魔?
数々の不可能状況下の事件に、奇妙な青年・猫丸先輩の推理が冴え渡る!


再読です。
しかし、初読は10年ほど前なので内容はさっぱり。
結果、嬉しい読書となりました。
面白かった!
そして当時、猫丸先輩のイメージが「小沢健二」だったことだけ思い出しました。

猫丸先輩が実際に事件に遭遇したり、安楽椅子探偵ばりの推理で、数々の事件を解決するストーリー。
通常、安楽椅子探偵の真相にはモヤモヤ感が残る私ですが、これは意外にすんなりと受け入れられました。
若干、安易な推理も目立つのですが、親切すぎる伏線と魅力的な謎で、なかなか楽しいミステリになっています。
これでデビュー作だもんなぁ。すごいなぁ。

最後まで読むと、この1冊丸ごとに仕掛けがあることに気が付かされます。
しかし、「おおっ!」というよりも「へぇ〜」という感じで、あまり驚けなかったのが残念。
全体に漂うユーモアとラストのブラックな雰囲気は、さすが若竹賞作家ですね。
posted by めみ at 21:44| 倉知淳