2007年12月21日

HEARTBLUE/小路幸也 ★★★☆☆


ある虹の朝、ニューヨーク市警の失踪人課の男のもとへ、一人の少年が訪ねてきて言った。「ペギーがいなくなったんだ」と。
彼の捜す少女は、一年ほど前から様子がおかしかったというのだが・・・。
一方、男の知り合いであるCGデザイナーの日本人の青年も、ふとしたきっかけからある少女の行方を追い始める。
二人がそれぞれ動いた末に明らかになった真実とは・・・。
想いあう気持ちがみちびいた、哀しい現実に胸が締めつけられる、小路幸也待望の書き下ろし長編。(本書あらすじより)


<妙な符合だね>

この作家さんの文章は、頭にスーッと入ってきます。一気読みでした。
前作が未読だと面白さは半減・・・というか、意味不明じゃないかな。

「man in blue」では、ニューヨークの失踪人課に所属するワットマンが2人の少女の自殺の真相に迫る。
一方、「man on the street」では、ニューヨークに移住した巡矢が、知り合いの女性カメラマンが撮った写真の中に、ワットマンと「そこに写るはずのない少女」を発見、探偵を雇い真相を探る。
そして、交互に進む2つのストーリーが交わるとき、衝撃の真実が明かされる。

前作『HEARTBEAT』はてっきりハッピーエンドだと思ったのに、違ったのかな。
今回も、巡矢の報われない想いが痛々しいです。
都合の良い展開は相変わらずですが、ミステリとしてはこちらの方が楽しめたかも。
でも、真相解明のシーンがたまらなく不快だったのと、後味が微妙だったので★1つ減点。
真相に触れています。
posted by めみ at 19:51| Comment(2) | 小路幸也

2006年06月23日

HEARTBEAT/小路幸也 ★★★★☆


優等生の僕と不良少女のヤオは、高校の卒業式で『10年後ヤオが人生を立て直すことができていたならあるものを渡す』という約束をした。
しかし10年後、彼女は約束の場所に姿を見せなかった。
そこに現れた彼女の夫と名乗る人物から、ヤオが行方不明になっていると知った僕は、同級生だった巡矢に協力してもらい、彼女の居場所を捜すことに。
そのころ、元華族・五条辻の屋敷では幽霊騒動が発生していた。
ただ1人の跡継ぎである裕理は、それが母親の幽霊だということにショックを受け、友人のエミィとハンマが隠された真相を探ることに。


初・小路作品です。
この著者の作品は評判があまりパッとしないので、期待はしていませんでした。
しかし、この切なさは抜群!
それぞれの人物に胸が締め付けられるようなドラマがあるのです。

残念なことに、メインの謎はあまり面白くないです。
もう少し巧妙に絡み合っていると予想していたので拍子抜けでした。
この主人公にあまり魅力を感じないせいか、アメリカでの悲劇もサラッと読めてしまったし。
それと、かなり都合の良い展開なのに、所々でまどろっこしい印象が残りました。
ミステリとしては不満だなぁ。

ただ、ラストで判明する大仕掛けには驚いた!
いくら伏線がたくさんあっても気付くわけないって!
まさかこんな展開になるとは思わなかったので、驚きと同時に戸惑ってしまった私。
でも、冒頭に戻って
<Can't you hear my Heartbeat?Can't you hear my Heartbeat?>
を目にした瞬間、涙がぶわっと。
そういう意味だったのか・・・。
終盤まで主人公の力が地味だなぁと感じていましたが、こんな大きな意味があったなんて・・・。
巡矢の哀しい想いも泣けます!!

そして、まさかラスト1行でハッピーエンドになるとは!
これには参りました。
この読後感と、巡矢がここ最近で一番素敵なキャラだったので星1個追加。

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ときわ姫 > ミステリとしては不満になることこそ、ミステリフロンティアらしさだと思いました。この切なさは、胸を締め付けられるよう(陳腐な表現ですが)でした。主人公は巡矢といっても良いのではないでしょうか。気付くことが出来ない伏線を読み直すと泣けますね。 (2006/06/24 09:21)
めみ > <激しくネタバレ!>あ、これミステリ・フロンティアでしたか。全く意識してませんでした・・・。納得です。植松やエミィたちが最初は彼の存在に気付かない、という伏線を確認したときに「うわ!巧い!」と驚きました。終盤では、最初から全てを理解していた巡矢がもう切なくて。主人公を母親に会わせないようにした理由にも泣けました。なんだか久しぶりに感動作を読んだ気がします。同じようなテイストなら他の作品も読んでみようかな。 (2006/06/24 11:57)
たかじょう > めみさん、100冊目おめでとうございます♪初読の作家さんですか!私は存じ上げませんでした、というか、いつもその開拓精神に頭が下がります。見習わなければ。これからも読書の参考にさせてください。よろしくお願いします♪ (2006/06/24 18:32)
めみ > たかじょうさん、ありがとうございます(嬉!)。UPしてから100冊目だということに気付きましたよ〜。この作品は偶然手に取ったのですが当たりでした♪そういうの多いです(笑)。私の方こそ、古典や本格など深く濃いミステリを読まれるたかじょうさんに毎回刺激されっぱなしです。私の周りにはミステリを読む友人が全くいないので、こうやって語り合えたり、影響を受けることが本当に貴重で嬉しいのです。これからもどうぞよろしくお願いしますね☆ (2006/06/24 21:26)
あん > (思いっきりネタバレ!!)例の先行する有名映画の時は全く気がつかなかったくせに、それ以降のこのパターン物には何故か途中で気がつくようになってしまいました。あの映画の後遺症だと思ってます(笑)
でもミステリ云々よりも物語でしっかり読ませてくれましたね。作者は若い方なんでしょうか?今後も要チェックな一人ですね!
あと、100冊お疲れ様です!本当にすごいです…。私もまた忘れた頃に時々UPしますので、今後とも宜しくお願いします。 (2006/06/25 17:15)
めみ > (再びネタバレ!)あんさん、どうもありがとうございます!!あんさんはお忙しいのに、私のツボをくすぐる作品をバッチリ読んでらっしゃって驚きます。あまり一般ウケしない本を好む私としては非常に心強いですよ〜(笑)!お仕事も大変でしょうがUPを楽しみに待っています。これからも宜しくお願いします☆
あんさんはこの仕掛けに気付かれたのですか!スゴイ!私は思いっきり意表を突かれましたよ。例の某映画はオープニング前の「この結末は誰にも言わないように!」という警告で一気にシラけてしまい、あまり驚けなかったのです〜。(どちらかと言うと、ニコール・キッドマンの某映画の構成の方が好きかな?)この作品は予備知識ゼロだったからか、飛び上がりましたよ!
作者は確か40代ではないかな?文章や作風が爽やかなので若い方だと思っていたのですが、HPの写真を拝見してイメージが少し微妙な具合に変化しました。←失礼。メフィスト賞受賞のデビュー作を読んでみます♪ (2006/06/28 00:06)
posted by めみ at 17:59| 小路幸也