2007年12月19日

ランボー・クラブ/岸田るり子 ★★★☆☆


フランス語など習ったこともない不登校中学生の僕が、なぜ、サイト<ランボー・クラブ>のトップページに掲げられたフランス語の詩を読めるのだろうか?僕はいったい誰なのか?
ある日、そのランボーの詩が書き換えられ、その詩が暗示する殺人事件が…。色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相。
鮎川哲也賞受賞作家が贈る渾身の本格ミステリ。(本書あらすじより)


<教えてください。僕のルーツを>

自分が何者なのかを突き止めたいと願う中学生・菊巳と、妻と息子捜しを依頼された女探偵の物語が交互に進んでいきます。

最初は、主人公の”ありえない記憶”に対して、歌野晶午さんの『ブードゥー・チャイルド』のようなワクワク感があったのですが・・・う〜ん、そこまで魅力的な謎ではなかったかな。
つまらない訳ではないのに、読み終わるのにとても時間がかかってしまいました。

とにかく、伏線が乏しいので、真相解明がダラダラと長き、驚きも少ないです。
ネットの予告殺人や密室殺人も小道具としては弱く、無理矢理ミステリにしちゃったような印象を受けました。
真相に触れています。
posted by めみ at 19:16| Comment(4) | 岸田るり子

2006年06月14日

出口のない部屋/岸田るり子 ★★★☆☆


私に差し出されたのは「出口のない部屋」という題名の原稿。
「読ませていただいてよろしいですか?」
彼女はロボットのように無表情のまま頷いた。
それは、1つの部屋に閉じ込められた2人の女と1人の男の物語だった。
なぜ見ず知らずの3人は、この部屋に一緒に閉じ込められたのか?
免疫学専門の大学講師、開業医の妻、そして売れっ子作家。
いったいこの3人の接点はなんなのか?
3人とも気がつくと赤い扉の前にいて、その扉に誘われるようにしてこの部屋に入ったのだった。
そして閉じ込められた。
『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞受賞の岸田るり子が鮮やかな手法で贈る、受賞第1作。(あらすじより)


このあらすじだと、内容を説明できていませんね。
タイトルから密室ものを想像しがちですが、それはほんのささいなこと。
3人がそれぞれ閉じ込められた理由を回想していくと、接点が浮かび上がってくるというストーリーなのですが・・・。

この真相には驚きました!
ミステリ・フロンティアはクセのある作品が多いので、今までミステリとしてはあまり評価できなかったのですが、これは満足!

作中作の構成が折原一さんに似ているので、仕掛けには早い段階で気付きました。
でも真相が見抜けないのです。
ある程度、見当をつけて読み進めるのですが、どうしても所々で噛み合わない。
後は大人しく読み進めるしかなく、エピローグに入った瞬間、「えっ!?」と驚愕。
そして再読すると、伏線が出てくる出てくる。
完全に引っ掛かってしまいました・・・。

全体的に暗くて地味な雰囲気なのに、やけに現実的で面白い。
女の様々な嫌な面を的確に描いていて、「いるいる、こんな人!」と共感しまくりでした。
主要人物以外にコロコロと語り手が変わるので、主観と客観の違いも楽しめます。
色気の漂う文体も非常に好み。
前作『密室の鎮魂歌』はもっとドロドロしているようですが、興味あるかも・・・!

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ときわ姫 > めみさんに楽しんでいただけてとても嬉しいです。読み終わったら再読したくなりますよね!そして散らばっている伏線を見つけては、ここにも!と一人で頷いていました。
「密室の鎮魂歌」は読みましたが、「出口〜」の方が進化してると思います。あっちは何カ所か突っ込みどころがありました。 (2006/06/15 09:38)
めみ > ときわ姫さん、この作品は初読と再読で2回驚きますね!「これはこういう意味だったのか!」と確認する作業は、ミステリ好きにとってはたまりません(笑)。見事なプロットでした。感謝です!
ときわ姫さんは前作も読まれているのですね!突っ込みどころですか・・・。でもあらすじが面白そう〜。本書と比較するとやはり物足りなく感じると思いますが、その覚悟で読んでみます♪ (2006/06/15 15:19)
posted by めみ at 17:54| 岸田るり子