2006年06月22日

情けは人の死を招く/射逆裕二 ★★☆☆☆


亡くなった両親の遺産に頼り無職で暮らしているボク・斉藤和樹の前に、10年前ヤクザにからまれているところを助けた女性が現れる。
晴れて恋人同士となった2人は、ボクが部屋を所有する湯河原のリゾートマンションを訪れることに。
そこで起こった大学教授撲殺事件。
マンションの住人である狐久保探偵が頭脳をフル回転しているところに、続いて第2の悲劇が!
女装探偵・狐久保シリーズ第2弾。


懲りずに続編を読んでしまった私がバカでした。

だから、どうして「ボク」なのか。
他にも「キミ」やら「ノレン」やら「ハデ」やら。
会話文だけでなく、地の文で無意味なカタカナ表記が乱舞してると、すごく安っぽいし読みにくいのだけれど。
特に笑えるギャグも無いことから、軽妙な文章も単に書き慣れてないだけとしか思えなくなってきました。

前作でも気になりましたが、ミスディレクションの処理が不自然すぎる。
なのに、そればかりに力を入れすぎて、真相につながる伏線がほとんど無いのです。
「きっと真面目に推理するだけ無駄だろう」という心積もりでしたが、それでも謎の解明部分ではイライラしました。
ただ1点、女装の怪人と自称・オペラ歌手の設定は相変わらず必然性はないけれど、少しは馴染んできたかな。

今回も次作の予告がありましたが、もういいです。

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あん > 『みんな誰かを殺したい』書いた人ですよね?私はあれ一作しか読んでませんけど、シリーズ物とか順調に書かれてたんですね。へえー。あの斬新なプロットのデビュー作のおかげで(失礼ながら)一発屋だと思ってました(汗) (2006/06/25 16:58)
めみ > あんさんも『みんな誰かを〜』読まれたのですね!いやいや、一発屋だった方がどれだけ良かったか・・・(笑)。このシリーズ、びっくりするぐらい面白くないのですよ。デビュー作は「なぜこれが横溝賞?」と疑問に思いながらも楽しく読めたのですがね〜。サクサク新作が出るのですが、「もう少しじっくり練ってくれい!」と抗議したいくらいですよ。全く。 (2006/06/27 23:22)
posted by めみ at 17:56| 射逆裕二

2006年04月20日

殺してしまえば判らない/射逆裕二 ★★☆☆☆


首藤彪34歳、現在無職。
妻の死の真相を解明すべく、現場となった東伊豆の自宅へと引っ越してきた直後、陰惨な事件やトラブルに巻き込まれてしまう。
その渦中で知り合った奇妙な女装マニアの中年男・狐久保朝志。
外見に似合わず頭脳明晰、観察力抜群な彼の活躍で、彪の周囲で起こる事件は次々と解決していく。
さらには、妻の死の真相まで知ることとなるのだが・・・。


このタイトルを見て、前作『みんな誰かを殺したい』も図書館で予約するのに勇気が要ったことを思い出しました。
前作は内容を完全に忘れてしまいましたが、無理矢理な展開でもスピードがあり、結構面白く読めた覚えが。
しかし、本書は・・・読後、脱力しました。
私の読み方がどこかおかしかったのか?

34歳にもなって一人称が『ボク』である主人公。
妻が倒れていた書斎で、事件後、何かが無くなっているような気がする。
しかし、それが何なのか思い出せない。

この主人公がなんとも腹の立つキャラで。
謎を突き止めるため、調査するのかと思いきや、一向にその気配は無く、喫茶店のウェイトレスに恋をしたり、家庭菜園を始めようとしたり。
あなたも療養が目的?と疑問に。
(後に、これらの行動も理解できるのですが・・・謎の真相にはかなり不満が。)

くどいほど同じ説明が出てくるせいか、読み難さを感じました。
「義母が東伊豆に家を建てたけれど住んでいない理由」と、「近所に住む瀬田島さんとの今までのトラブル」がこれでもかってくらい繰り返し描かれてるのです。
大して重要なことでもないのに。

そして、中盤、主人公は殺人事件に遭遇するのですが、これは必要だったの?
狐久保さんの活躍の場が欲しかっただけ?
妻の死に全く無関係だということで、ある意味驚きました。

唯一、ミスリードはややあからさまにしろ、「そうきたか」と思いました。
しかし・・・。
真相の部分で、『でもあの時、○○のように見えましたが・・・』『それは単なる間違いよ』って。
・・・間違いかよっ。
それに、こんなところで読者目線になっちゃダメ!
仕掛けを会話で説明してどうするの〜。かなり興醒め。

読者を引っ掛けようとする試みは良いのですが、前作よりも強引さが目立ちました。
とても意味ありげな伏線(っぽいモノ?)も最後まで放りっ放しなのですよ。
やはり、私の読みが浅かったのか?
こんなに荒いミステリはめったに出会わないので、自分の感想に自信が無くなってきました。

まえがきに『ローマの休日』に関してサブリミナル効果を狙ったとの記述があるのですが、そこに驚きの真相があると期待して良いのでしょうか。
あえて、DVDをレンタルまでして確認はしませんが。

女装マニアの探偵と自称・オペラ歌手の設定も、必要なのかどうか。
もっと突き抜けたキャラだと思いきや、いたって普通だし。

巻末に続編の予告がされてるのですが、本当?それともネタ?
posted by めみ at 17:34| 射逆裕二