 能城あや子は、その的中率が高いことから、TVでも高視聴率を稼ぐ人気霊能者。 しかし、本当は霊視なんて全くのウソ。 彼女のマネージャー・鳴滝を含めた調査員たちが、依頼人の部屋に忍び込んだり、パソコンから情報を引き出したり、事前に綿密な調査を行っているのだ。 彼ら「チーム」の活躍を描いた連作短編集。
なんと、前作『クリスマスの4人』から丸4年ぶりの新刊です! 正直、待ちくたびれました。
イラストがカワイイです〜! 「招霊」「金縛」「目隠鬼」「隠蓑」「雨虎」「宿生木」「潮合」「陽炎」の8つの章で構成されてます。 この第一章の「招霊」(「妹のいた部屋」改題)は、かなり以前にアンソロジーで読んだことがありました。 あれからやっと1冊の本になったのかと考えると・・・遅っ。 でも、シリーズ化を希望していたので、結果的にはとても嬉しいです。
チームの調査手段は完全に違法だし、あや子の霊視も立派な詐欺。 しかし、その調査は、時に犯罪を暴いたり、依頼者を悩みから解き放ったり、物事をすべて良い方向へと導くのです。 それでも、最初は「詐欺」という行為に抵抗が残っていたのですが、「潮合」の章であや子の過去が明らかになるにつれ、モヤモヤ感が払拭されました。 一番好きなお話です。
あや子を筆頭とするこのチームの活動は、岡嶋二人著『眠れぬ夜』シリーズの捜査ゼロ課を思い出しました。 そう、今回は全体的に岡嶋作品っぽいような・・・。 でも、岡嶋作品のような凝ったトリックも無いし、従来の井上作品のように展開に意外性があるわけでもないし・・・。 その点では、ちょっとパンチ不足かなぁ。
あや子の霊視に疑いを持つ輩も現れるのですが、チームが完璧すぎて緊張感が無いのですよね・・・。 最後まで、安心して読めてしまいました。
う〜ん、ファンだからこそ少し物足りなかったかな? 全体的には、面白かったです。 今年、発売予定(かも?)のミステリーランドも楽しみです。 | |