2006年07月20日

仮面幻双曲/大山誠一郎 ★★★★☆


昭和22年、東京で私立探偵事務所を営む川宮兄妹は、滋賀県の名家・占部家から依頼を受ける。
主が失踪した弟に命を狙われているというのだ。
その弟は失踪後、整形手術で顔を変え、その医師を殺害して逃走したという。
兄妹の護衛も虚しく、無残な死体となって発見される主。
犯人は弟なのか?弟は一体どの人物なのか?
そして、第2の殺人が・・・!


これこそ、エレガントなロジック!
やはりこの著者は素晴らしいパズラーです。

謎解きに至るまでがひたすら退屈だと評判の本書。
確かに地味な展開ですし、盛り上がりにも欠けているのですが、それほど気になりませんでした。
何気ない描写も全て伏線かもしれない、と身構えていたからかな?

ただ、当時にしては会話がミスマッチだったり、雰囲気が出ていないという違和感はありました。
そういえば、前作もキャラクターや筆致がぎこちなく読みにくかった覚えが。
しかし、前回と同様、こんな真相を持ってこられたら満足ですよ。

超斬新なトリックと特に目新しくないトリックの両方を組み合わせたとても贅沢な構成。
とても簡潔なのに、イメージするとその隙の無さに再度驚かされます。
伏線は丁寧すぎてあからさまなのですが、スマートで説得力のあるロジックに感動しました。
(唯一、重大なヒントを得た新聞記事の件は早めに手を打つことができたと思うので残念・・・。)

信じて疑わなかったものが覆されるという快感を久しぶりに味わいました。
まだこんなトリックがあったとは・・・。
これまた、冒頭が巧いのですよね〜。

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たかじょう > <<内容に触れています>>めみさん、高評価ですね〜。【たしかに冒頭も非常に巧かったですよね!!トリックは素晴らしいし、とてもよいパズラーなのですがわたしはあの「針と糸」の真相がイマイチだったのですよ〜。あと「黒幕」が読めてしまったのがマイナスポイントでした。 】(2006/07/21 10:00)
めみ > <ネタバレです>たかじょうさん、【確かに「針と糸」は拍子抜けしましたね〜。他に無かったのかなぁ。伏線がミエミエなため、『黒幕』も予想がつき、当然第2の殺人のアリバイトリックも思った通りでした。この辺りは全く目新しくないですよね・・・。私が一番ガッカリしたのはカルテの安易な偽装だったのですが(笑)。でも、双子トリックと時系列トリックが、ここ最近の長編の中では麻耶さんの『蛍』以来の斬新さだったので、高評価を付けました。】やはり、初・お目見えのトリックが出てくると弱いです〜。 (2006/07/21 10:52)
posted by めみ at 18:12| 大山誠一郎

2006年03月06日

彼女がペイシェンスを殺すはずがない/大山誠一郎 ★★★★☆

e-NOVELS特別企画の犯人当てミステリ。
(pdfファイルをダウンロードして読むことができます。)
大山誠一郎さんの作家デビュー作。
ディクスン・カー作品でおなじみフェル博士が「目張りの密室」事件に挑戦するお話です。

おなじみ、と言っておきながら、本来、翻訳モノが苦手な私。
もちろん、カーもクイーンも未読です。
この作品は、短編なのでなんとか頑張りました。
それより、評価の高さの方が気になって・・・。

解答編を読むまで真相はさっぱり。
しかし、このトリック・・・う〜ん、すごい。
非常にオーソドックスなんだけど、なぜか新鮮。
どうやって密室にしたのか、犯人の行動を頭の中でトレースしてみると全く無駄がないのです。
すごい!計算されてる!

犯人・・・当てられないよな〜これは。
完全なる大山マジックです。
しかし、動機は強引だ〜。
いや、短編だし、仕方ないか。

まさか、ペイシェンスが○○○だとは思わなかったなぁ。

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たかじょう > おお、新作!?と思ったらe−NOVELSでしたか。以前、誰かの小説をダウンロードしようとしたらできなかった覚えがあります(笑)。探して再チャレンジしてみますね。
そうそう、安楽椅子探偵見ましたよ〜!初めてだったのですが犯人わからないですね〜(笑)。あの笛を吹いたということは西大路は犯人じゃないってことですよね?私は原作者のクセからいままでノーマークだった桂か太秦あたりだろうと見当をつけてますが、エレガントな推理は組み立てられていません。ADが「ともえ」の名刺をシュレッダーにかけていたのと、もう一人のADがずっとマスクをしているのはミスリードと考えています。とりあえず、桂は歌劇団の男役トップだったし、太秦も劇団員というあたりから考えたのですが。めみさんはどうでしょうか? (2006/03/07 07:48)
めみ > たかじょうさん、無事ダウンロードできたのですね!良かった♪
安楽椅子探偵・・・私もさっぱりです〜(笑)。そう、きっとノーマークの人物が犯人だと思います。これまでの作品の傾向もそんな感じでした。でも、エレガントな解答は〜無理かも〜。「ともえ」の名詞は思わず「一時停止」ボタンを押しちゃいました。単に、お客だったってだけかな?ルナは声で人物の特定ができるので、殺害時、インターホンに「誰?」と聞き返しているのは、一度も声を聞いたことの無い人物?(でも、犯人が無言でも「誰?」って聞き返しますよね・・・。)あと、管理人がTVでルナの番組を見てたとき、みやびの霊視に使うノートの横のノートが「指紋」の表紙だったのに、ルナが「これにするか。」と選んだときには、変わっていたこととか・・・。(「指紋」は誰かの霊視に使っただけかも。)うう・・状況の不自然さだけは気付くのですが、犯人の特定にはならないのですね〜。とにかく、マンションからスーツを運び出した人物がみやび自身だとすると、あの3人以外のアリバイも無くなりますね。そう考えると、犯人はマスクのADと桂のどちらかかな?と考えております。応募は無理ですね(笑)。 (2006/03/07 15:19)
posted by めみ at 17:19| 大山誠一郎

2005年12月07日

アルファベット・パズラーズ/大山誠一郎 ★★★★☆


東京、三鷹市の井の頭公園の近くに<AHM>という4階建てのマンションがある。
その最上階に住むオーナー・峰原卓の部屋に集まるのは、警視庁捜査一課の刑事・後藤、翻訳家・明世、精神科医・理絵の3人。
彼らは紅茶を楽しみながら、後藤が関わった事件の真相を解明すべく推理を競う。
本格ミステリ界期待の俊英が満を持して放つパズラーの精華!


初読みの作家さんです。
本書のタイトルだけはよく目にしていたのですが、装丁のデザインがどうにも気に食わず手に取るのを避けてました。
まさかこんっなに面白いとは・・・!

短編2つと中編1つで構成されていますが、どれも意外な真相で驚かされます。
そりゃもう、「目の付け所」を試されているような作品ばかり。
最後の事件はミスリードがある分、再読すると更に残酷に感じられます。
しかし、今回はロジックの見事さの方が勝ちました。

少し詰めの甘い点も見受けられたので、星一つ減点です。
これは次回作が楽しみです!

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たかじょう > よかったですよね〜、この作品!ほんと次回作が楽しみです。装丁、わたしもちょっと。。。(苦笑)アルファベットをデザインしているのはわかりますが、80年代っぽいかな。。。 (2005/12/07 18:22)
めみ > たかじょうさん、作品がこんなに凝りまくっているので、装丁も少しヒネって欲しかったですね〜(笑)。たかじょうさんのUPがきっかけで読めました。感謝です〜♪新作待ち遠しいですね! (2005/12/07 18:39)
ときわ姫 > 黒OKのめみさん、面白く読めたようで良かったですね。新作が待ち遠しいとは!私は新作が出たら、めみさんとたかじょうさんの感想を読んでからにしようと思います。(新作は出るのか?) (2005/12/08 09:06)
めみ > ときわ姫さんは後味の方が気になってしまわれたのですね〜。黒めみも本格ミステリでなかったらヘコんでたかもです。見事な手法ですよこれは。新作・・・そういえば遅いですよね?いやぁ、この作家は読みますよ私〜! (2005/12/08 18:42)
posted by めみ at 16:20| 大山誠一郎