2008年10月09日

火村英生に捧げる犯罪/有栖川有栖 ★★★☆☆


京都で、30歳のエステティシャンが扼殺された。
ほどなくして、大阪府警に「これは火村英生に捧げる犯罪だ」という文面の挑戦状が届く。
一方、作家の有栖川有栖のもとには「先生に盗作されたと言っている人物がいる」との怪電話が・・・。
気鋭の犯罪社会学者・火村英生と、ワトソン役の作家・有栖川有栖が登場する人気シリーズ。
表題作含む短篇4本、そして携帯サイトに掲載された掌篇4本の計8本、本格ミステリーの旗手の精緻かつ洒脱な作品世界にどっぷりお浸かり下さい。(amazonより)


<とっておきの探偵に きわめつけの謎を>

どれも意外にアッサリした真相なので、最終話で全てつながるという趣向なのかと深読みしてしまいました。
表題作は期待しすぎたかも。
これは長編でもっと話を広げて欲しかったなぁ。
posted by めみ at 11:31| Comment(2) | 有栖川有栖

2008年08月06日

妃は船を沈める/有栖川有栖 ★★★☆☆


この願い事は毒だ。ゆっくりと全身に回る。
所有者の願い事を3つだけ、かなえてくれる「猿の手」。
<妃>と綽名される女と、彼女のまわりに集う男たち。
危うく震える不穏な揺り籠に抱かれて、彼らの船はどこへ向かうのだろう。
何を願って眠るのだろう。(帯より)


<そのあとで、全ては完全になる>

あれ?長編・・・というよりも連作っぽい?
「第一部 猿の左手」「幕間」「第二部 残酷な揺り籠」という、中編を組み合わせた構成。

ウィリアム・W・ジェイコブズの『猿の手』がモチーフとなっています。
『猿の手』は、内容は知っていたけれど未読。
(若干、『ペットセマタリー』とごっちゃになってた。)
この『猿の手』論議は面白かったです。
私はアリスに同感だったので、火村さんの解釈はとても新鮮でした。

第一部では車が海に転落した事件、第二部では地震の前後に起きた殺人事件。
「妃」と呼ばれる美貌の女主人と、彼女を取り巻く青年たち。

第一部の方が好みですが、どちらも丁寧なロジックでさすがだと感じました。
読後、スッキリしないのは動機がピンとこないから。
バーの雰囲気は最高なのになぁ。それ以外に不満が残るのですよね。
真相に触れています。
posted by めみ at 12:42| Comment(2) | 有栖川有栖

2008年05月21日

壁抜け男の謎/有栖川有栖 ★★★☆☆


縦横無尽に張り巡らされた罠、目眩くアリス・ワールドのカオス!
犯人当て小説から近未来小説、敬愛する作家へのオマージュ、本格パズラー、そして官能的な物語まで、全16作品を収録。


<小説が書けない苦しみって、窒息する感じなんです>

前半のミステリ作品は楽しめたけれど、後半の雰囲気はあまり好みではなかったなぁ。
作家へのオマージュも最初は面白がっていたけれど、だんだんしつこく感じてしまいました。

「ガラスの檻の殺人」のみ既読。
あとは、テーマが面白いなぁ〜くらいしか、特に印象に残っていません。
「恋人」はもう生理的にダメ。
「彼方にて」のような抽象的な話も苦手でした。
posted by めみ at 16:19| Comment(2) | 有栖川有栖

2007年10月11日

女王国の城/有栖川有栖 ★★★★☆


舞台は、急成長の途上にある宗教団体<人類協会>の聖地、神倉。
大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。
室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。
様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曽路をひた走る。
<城>と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。
外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し・・・。
入れない、出られない、不思議の<城>。
江神シリーズ待望の書き下ろし第4長編。(本書あらすじより)


<信じよう。この人ほど、信じるに値する人は稀だ>

分厚い・・・。
目次を見て「読者への挑戦」を発見した瞬間、推理は断念しました。無理無理。

15年ぶりの江神シリーズですが、たった2年前に前3作を読んだ私としては、決して「待望!!」ではなく、至極順調なペースなんですよね(汗)。
でも、アリスたち4人は相変わらず活き活きとしたキャラクターで、全くブランクを感じさせないのがスゴイ。
(有栖川さんとUFOという組み合わせで、5年前の『安楽椅子探偵とUFOの夜』をぼんやり思い出したり。)

とても面白かったです。
一応、アリスたちは<城>に閉じ込められ、殺人事件が発生するのですが、なにぶん微妙な軟禁状態なので緊迫感が無く、中盤まで冗長に感じました。
その後、乱闘シーンや、<街>の少女が登場してから、グッと面白くなりました。
信長、格好良い!

多少、脱力系のトリックもありますが、「おお〜!」と目が覚めるような衝撃はしっかり味わえました。
さすが江神さん、素晴らしいロジックです!
真相に触れています。
posted by めみ at 01:13| Comment(2) | 有栖川有栖

2006年07月21日

乱鴉の島/有栖川有栖 ★★★☆☆


休養目的で小旅行に出かけた火村と有栖川は、巧妙なトリック(?)により烏島に滞在することとなる。
その島の屋敷には一流の文学者・海老原瞬を中心に、彼の崇拝者たちが集合していた。
彼らの強固な秘密主義、招かれざる客の出現、そしてとうとう殺人が・・・。
幾多の鴉が乱れ飛ぶ島で、火村の推理が冴え渡る。


う〜ん・・・これは苦痛でした・・・。
有栖川さんはよく作中に他の著者の作品を引用しますが、今回は少々うんざり。
長編だからか、ポーの作品に対する講釈が長すぎるのです。
できれば他の作品の力を借りず、独自の雰囲気をつくりだして欲しいのですが・・・。
設定からしても、ヒルズ族のような人物が登場する反面、「崇拝」というレトロな関係が存在したり、最後までちくはぐな印象が拭えませんでした。
共感できる登場人物が全くいないのもキツイ。

中心となるテーマといい、とても奥深い内容なのですよね。
しかし、そこまでの興味と読解力を持ち合わせていない私としては辛かったです。
真相に触れています。
posted by めみ at 18:15| 有栖川有栖

2005年11月29日

作家小説/有栖川有栖 ★★★☆☆


作家だらけの連作小説。
ミステリではありません。


『書く機械』
ここまで極限状態に追い込まれると、却って書けなくなるものなんじゃ・・・?
その点は、編集長の人を見る目があったということかしら。
ラスト、引き返せなくなった姿が憐れです。
『殺しにくるもの』
一番、面白かったです。
犯人の特徴も、一層恐怖を煽ってます。
ラストもびっくり!
こういう趣向は大好きです。
『締切二日前』
もう、作家の苦悩と焦燥感がひしひしと伝わってきます。
作中で、他の作品に使えそうなアイディアを惜しげもなく披露してますが、結構面白いのもあるのにもったいない〜。
オチもすっきり。
『奇骨先生』
少し青春小説っぽい雰囲気でした。
「先生、そりゃなんでも大人気ないよ」と、思わなくもないですが結構爽やかな読後感でした。
『サイン会の憂鬱』
私はサイン会に並んだこともないし、遭遇したこともありません。
この作品も多種多様の人々が並んでいて、それがなんともリアルで面白かったです。
終盤に近づくにつれて、ガラッと雰囲気(ホラー??)が変わってしまうのですがこういう毒気も良いですね。
『作家漫才』
作家2人の掛け合いが面白い〜。
「歌手は同じ曲を何度もテレビで唄えるのに、作家は同じ作品を何度も発表できない」
「歌手は舞台の上で客の反応をじかに味わうことができるのに、作家は孤独に部屋で作業するだけ」
など、卑屈な発言が飛び出します。
有栖川さんはいつもこんなこと考えてるのかしら?
『書かないでくれます?』
ああ〜怖い怖い。
「金魚」のエピソードがゾーッとします。
ラストの不安感がたまりません。
『夢物語』
ずっと覚めることのない夢のお話。
「マクベス」を「マルヘ王」、「ローマの休日」を「王女の休日」と題名を変えることで、主人公の罪悪感が伝わってきます。
ラスト一行がとてもシュール。
こうなるとは思っていましたが。

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たかじょう > この作品は未読なのです。作家の日常についての連作なのですね。なんだか別の意味で面白そう。探してみますね〜。 (2005/11/30 07:48)
めみ > たかじょうさん、有栖川さんが常日頃考えていることが伝わってきました(笑)。まったくミステリではないのですが、なかなかゾッとしましたよ。ああ・・・これで手持ちの有栖川作品は終了しました。何だか最近は数をこなすだけの読書になりつつあるので、少し落ち着いたら次の京極作品に着手します☆ (2005/11/30 14:40)
posted by めみ at 16:13| 有栖川有栖

2005年11月22日

山伏地蔵坊の放浪/有栖川有栖 ★★★☆☆


毎週土曜の夜にスナック『えいぷりる』に集まる常連客。
彼らの楽しみは、昨年からこの町の寺に寄宿している山伏の経験談(?)を聞かせてもらうこと。
その事件の謎をみんなで考えるのだが・・・。


なんと、主人公は山伏!
ご丁寧に、各章のはじめには山伏についての説明書きもあります。
彼は地方を旅する中、数々の事件に巻き込まれるのですが、これがどれも不思議なものばかり。
私も客になったつもりで考えましたが、真相は全く見当がつきませんでした。
思わずのけぞりそうになるトリックが多いのですが、のほほんとした山伏のキャラのおかげで許せてしまいます。
山伏がなりゆきで仮装パーティーに出席するのには笑いました。
日常では浮いているハズの格好がとてもしっくりくる場なので、誰も本物の山伏だとは気付かない(笑)。

山伏自身が疑わしい存在なので、もちろんそれらの話も眉唾モノ。
常連客もそれを理解しているのですが、巧みな話術を楽しんでいる雰囲気がとても微笑ましいのです。
こんなスナックやバーの常連になりたいと、つくづく感じました。

マスターの鋭い一言も良いカンジです。

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たかじょう > 読まれましたか〜。そうそう、オチのマスターの一言が夢を覚ましてくれますよね(笑)。どれも「オイ!」なトリックですが、毛色がかわった作風で楽しめました。 (2005/11/22 16:28)
めみ > たかじょうさん、安楽椅子探偵モノは緊迫感が無いのが残念ですが、安心して読めて良いですね〜。でもこういう幕の閉じ方をするとは思わなくて驚きました。なんだかほんのり寂しさが残ります・・・。 (2005/11/22 17:10)
まゆ > 安楽椅子探偵ものでも、こうやって人が集まって話を聞いて・・・というパターンが大好きな私は、それなりに楽しめました。山伏地蔵坊にモデルがいるというのに驚きました(笑) (2005/11/22 19:11)
めみ > まゆさん、私も驚きました(笑)。確かにモデルがいないと「山伏」なんてテーマ、出てきませんよね。実際、修行経験もあるってトコがまた可笑しいです。あの法螺貝を吹くのは熟練者でないと難しいみたいですね。←豆知識。 (2005/11/22 20:39)
posted by めみ at 16:10| 有栖川有栖

2005年11月19日

孤島パズル/有栖川有栖 ★★★☆☆


江神とアリスは、推理小説研究会唯一の女性部員であるマリアの伯父有馬竜一の別荘へ招待される。
その目的は、別荘のある島に仕掛けられたパズルを解いて、彼女の亡くなった祖父がダイヤモンドを隠した場所を探し当てることだった。
しかし、そのパズルを解く間も無く別荘で殺人が起き、江神たちは調査に乗り出す。


学生アリスシリーズ第2弾です。
先に「双頭の悪魔」を読んでいたので、活発で明るいマリアに驚きました。
そりゃ、こんな事件に巻き込まれたら落ち込むでしょうね。

意味ありげな地形の島、所々に建てられているモアイの謎、そしてクローズドサークル。
とても魅力的な設定です!
「月光ゲーム」よりもワクワクしました。
そして、やはりミステリ以外の読み物としても楽しむことができます。
アリスとマリアのちょっと青春小説っぽい雰囲気も、今回は(!)とてもいい感じだし。
マリアのキャラのおかげですね。

モアイの謎の解明も「ふむふむふむ」と読むだけの私は、今回の「読者への挑戦」もそのままスルー。
それでも「え〜、ここまでで犯人を示す手掛りが全部出てるの〜?」と、毎回驚きます。
そして、江神の論理で「真相はこれしかない!」ところまでもっていってくれるのです。
ここまでスッキリとした後味のミステリを最近読んでいないなぁ。
しかし、最初の部屋割り表やダイイングメッセージはあまり必要がないような。
そこに何かトリックがあるのかと身構えてしまいました。

北村薫さんの解説がとても的確で可愛らしいです。
「有栖川さんは犯人に意外性をもたせようとしない」とのこと。
その分、真相を明らかにするための論理に重点を置いているのですね。
犯人に少し物足りなさを感じていたのですが、あらすじを読んで納得しました。

やはり長編は読み応えがあって良いなぁ。

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たかじょう > マリアの次作での落ち込みよう、わかっていただけましたか(笑)。「犯人に意外性をもたせようとしない」そういえばそうですね〜。納得です!夏で島が舞台だからか、学生アリスの中では「孤島〜」が一番あかるい印象です。 (2005/11/20 22:45)
めみ > たかじょうさん、やっぱり順番通りに読むべきでしたね〜。こうなると「双頭〜」でチョコっと出てくる本書の回想が気になってきたりして(笑)。事件は陰鬱なモノでしたが、全体的にとても爽やかでしたね〜♪読んでて楽しかった☆でもこれで学生シリーズ完読です〜。寂しい〜。 (2005/11/20 22:59)
あん > 学生アリスのほうも結構シリーズ進んでるのですか?私は『月光ゲーム』で止まっています(汗)やはり二つのシリーズが頭の中で混ざってしまいややこしかったのかな。また気が向いたら読んでみます。 (2005/11/22 21:53)
めみ > あんさん、学生シリーズは「月光」「孤島」「双頭」で止まっているようです。私も感想を描くとき、江神と火村をよく間違えますね。でも学生アリス面白いですよ〜♪続き出ないかなぁ〜。あんさんも気が向いたらぜひ。 (2005/11/22 23:29)
posted by めみ at 16:07| 有栖川有栖

2005年11月10日

月光ゲーム〜Yの悲劇’88〜/有栖川有栖 ★★★☆☆


キャンプを楽しむため矢吹山に向かった江神二郎ら英都大学・推理小説研究会のメンバー4人は、雄林大学の男女7人グループと男性3人グループ、神南学院短期大学の女性3人グループと出会い、行動を共にすることになった。
それぞれのグループが親交を深める中、神南学院メンバーの小百合が突然、書き置きを残して姿を消す。
その後、山が噴火し、下山が困難な状況で次々と殺人が起きる。
一体、犯人は誰なのか?


学生アリスシリーズ、第一弾です。
図書館を利用したのですが、その歴史を物語るかのごとく、見事にボロボロ(笑)。
ごめんね、もっと早くに手に取れば良かったね・・・と、1ページごと丁寧に捲ってみると。
・・・なんと登場人物17人!
多いよ!クローズドサークルにしなくてもいいよ!

もちろん、最初に人物紹介ページが設けられているのだけど、さすが図書館本!
早速、心無い人の書き込みを発見。
作中、人物の呼称が統一されていないため、名前とあだ名が入り混じるのですが、その混乱を防ごうとしたのか、紹介ページの人物の後ろにそれぞれのあだ名を鉛筆で付け足しているのです。
その気持ちはとっても良くわかるのですが、私としては内容を全く知らないまま、そのページを見ることになるので、『そのあだ名がもしかして謎の真相(人物誤認トリックなど)だったらどうしてくれようっ』とワナワナ。
全くの杞憂だったわけですが。
このあだ名は、多すぎて書き分けもままならない登場人物を余計にややこしくさせるのに、非常に効果的でした。

かなりケチを付けてますが、全体的にはとても面白いです。
冒頭はすでに噴火に怯えているメンバーたちの描写で始まり、犯人は○○なのか・・?という疑いまで示唆されています。
これで掴みはOK!ってな具合にワクワク感が高まります。
彼らの会話やキャンプの雰囲気も楽しくて、全く退屈しません。
その後に次々起こる殺人、ダイイングメッセージ、噴火の恐怖なども、その緊迫感が伝わってきます。
もちろん「読者への挑戦」あり。
しかし、いつも通り全くお手上げ。
江神の冴えわたる推理は見事です!
展開されるロジックに、逐一、驚いてしまいました。さすが!
以下、軽くネタバレ?
posted by めみ at 16:02| 有栖川有栖

2005年10月21日

ジュリエットの悲鳴/有栖川有栖 ★★★☆☆


初期短編から最新ショートショートまで全12編。

著者のシリーズキャラクターが登場しない作品を、読むのは初めて。
大半の作品が、「そうかぁ。キャラに助けられていたんだ・・・」とつい思ってしまうほど・・・地味です。
いや、それでも十分面白いのですが。

一番のお気に入りは、『登竜門が多すぎる』
東野圭吾さんの『〜笑小説』に出てきてもおかしくないほど、風刺が効いてます。
推理小説の新人賞への応募を目指している男性に、推理作家必携のハードウェアを紹介するセールスマン。
このソフトが、面白い!
難解な作品の漢字とルビを一括変換する『虫太郎』(←小栗?)。
トラベルミステリに必須である時刻表の挿入が容易にできる『京太郎』(←西村?)。
など、他にもバカバカしい機能が盛りだくさんで、ニヤニヤしながら読みました。
宮部みゆきさんがこの作品を「面白い!」と評価されたそうですが、特に原稿に行き詰まったときの作家は、考えることが一緒なのでしょうね。

驚いたというか巧いなぁと感じたのが、『世紀のアリバイ』
彼らの正体が○○○兄弟とは意外でした。
もちろん、トリックにはアレを使ったのでしょうね。

表題作は悲恋モノなのですが、とてもせつなく、余韻が強く残りました。
ラストにもってくるところがいいですね。

あまりミステリっぽくはないのですが、たまにはこんなのもいいかなと。
12編の中にはショートショートも含まれているのですが、この作風といい、赤川次郎さんの作品を思い出しました。

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たかじょう > こんにちは!そうそう、わたしも読んで「あ、火村じゃないんだ」って思いました。だから逆に短編集なのに印象に残っています。「登竜門〜」なかなかシニカルな笑いですよね。
赤川さん、そういわれたらそうですね。 (2005/10/21 17:09)
めみ > たかじょうさん、火村シリーズでないことで、逆に印象に残っているなんて(笑)。今読んでいる「作家小説」もシリーズ外の作品のようです。短編は家事の合間に一編ずつ読めるから、最近重宝してるんですよね♪でも、学生アリスシリーズはもう出ないのかしら・・・? (2005/10/21 19:29)
posted by めみ at 15:50| 有栖川有栖

2005年10月12日

暗い宿/有栖川有栖 ★★★☆☆


<チェックアウトはできますが、去ることはかないません。>
火村&アリスシリーズ、4つの本格ミステリ集。


「暗い宿」
登場人物が少ないことと、特殊な現場のため、犯人は予想がついたのですが、「再度、床下を掘り返した理由」にはうなされました。
アリスが事件に巻き込まれる経緯が面白いです。
「ホテル・ラフレシア」
この、ホテルの犯人当てゲーム、参加したい!
ただ、謎の中年夫婦とこのイベントが、あまり絡んでなかったような・・・?
「ホテル・カリフォルニア」の歌詞に沿った、シュールなオチには愕然としました。
こんな虚無的な歌詞だとも知らなかったです。
そういや、哀しいメロディーですよね・・・。
「異形の客」これは、結構ストレートなミステリです。
異形の客とは顔を包帯でグルグル巻き、サングラス、マスクで扮装している客のこと。
このトリックは予想がついたのですが、被害者の行動の理由がうやむやになっているのが残念。
ちゃんと、解明して欲しかったなぁ。
ラスト、火村の「自首しないね?」の台詞に驚きました。
こういう追い詰め方もあるのですね。
火村の犯罪への憎悪が感じられました。
「201号室の災厄」
火村、ボコボコにされます(笑)。
酩酊状態でホテルの部屋を間違えただけで、とんでもない災難に巻き込まれ・・・。
しかし、火村はボクシングの経験もあるんですね〜。
フェイクで時間稼ぎをするなんて、さすがです。

今回は旅先で事件に巻き込まれるパターンの短編集だったのですが、こういう方が好みかも♪
毎回のことですが、アリスが推理小説のネタを探すのに「あ〜でもない、こ〜でもない」と悩む様子が、まさに著者の姿のようで愉快になります。

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たかじょう > こんにちは!作家アリスの短編、次々まとめて読んだので読んだ端から忘れてたりするのですが、この作品は結構覚えています。「暗い宿」の暗い雰囲気が珍しかったからかな。
しかしそのミステリフェスティバルは豪華ですね〜!!この中では麻耶さんが一番若いのかな? (2005/10/13 12:37) (2005/10/13 12:38)
めみ > たかじょうさん、こんにちは!この作品は印象深かったです♪短編って忘れやすいですよね〜。本当はそれぞれあらすじを書きたかったのですが、力尽きました・・・。
このメンバーだと、麻耶さんが若手になりますね〜。会いたかったです〜!しかし、綾辻さんの作品の15周年記念が「本格誕生15周年記念」とされるところがスゴイ!先駆者って感じですね。 (2005/10/13 18:19)

posted by めみ at 15:43| 有栖川有栖

2005年10月07日

白い兎が逃げる/有栖川有栖 ★★★☆☆


<追う者と追われる者はいつ逆転したのか?>
火村&アリスシリーズ、4編の傑作本格推理。


「不在の証明」
あとがきで、有栖川さんは作品に「双子」を積極的に取り入れると書いてありました。
魅力的な題材ですが、その設定の必然性を考えると、すぐにトリックが判明してしまうのが難点かと思っていたのですが・・・。
アリスの「目と違って、耳は閉じれない」発言から、導き出された真相は見事でした。
トリックのマンネリ化の心配は不要ですね。
「地下室の処刑」
こんな状況に立たされたら絶対イヤ。
犯人の動機は、とても斬新でした。
でも、そんな人がいてもおかしくない時代なのですよね。
妙に納得しました。
「比類のない神々しいような瞬間」
2つのダイイングメッセージが出てきます。
1つ目は、その分野に詳しくないので、真相を明かされてもピンとこなかったのが惜しい・・・。
2つ目は、被害者が意図したメッセージとは違う解釈で、犯人を追い詰めるのが面白い。
どちらも、伏線と思われる箇所をチェックしていたのですが、どう結びつくのかが全くわかりませんでした。
「白い兎が逃げる」
ミステリーランドでも感じましたが、有栖川さんは、ストーリーテラーとしても才能を感じます。
話の導入や、会話部分や、アリスの独白など、読んでいてとても愉快なのです。
この話の展開には驚きました。なるほど〜。
時刻表トリックは苦手なのですが、関空や大阪・姫路駅など、馴染みの深い場所がキーポイントだったので、イメージしながらとても楽しく読めました。
有栖川さんは、関西を舞台にしてくれるので嬉しいです。

しかし、スーパーはくとの「はくと」が「白兎」だとは知らなかった!
因幡の白兎は有名だけど・・・。
「スーパーな白うさぎ」なんて、そりゃ速いわ。
ここは、トリビア気味に驚きました。

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たかじょう > こんばんは!「白い兎〜」未読なんです〜。書店で見かけたら短編集みたいだったので文庫落ちでいいかと思って(笑)。これまでずっと文庫で買ってきてるからノベルズに移行するタイミングって迷います〜。 (2005/10/07 23:55)
めみ > たかじょうさん、この作品はタイトルが愛らしいので、ずっと読みたかったのです〜。有栖川さん、文章もこんなに面白いなんて思いませんでした。制覇を目指します♪私も、買うならノベルズより文庫派ですね〜。 (2005/10/08 00:24)
posted by めみ at 15:40| 有栖川有栖

2005年09月29日

絶叫城殺人事件/有栖川有栖 ★★★☆☆


長編だと思いきや、短編集でした。

6つの建物で起こる事件に、火村とアリスが挑む!
この館が、黒鳥亭、壺中庵、月宮殿、雪花楼、紅雨荘、など素敵な名前ばかり。
でも『館ミステリといえば、館の形状を利用したトリック』だと期待していたので、わざわざこの館の設定は必要なのかしら?と疑問に思う作品がいくつかありました。

「黒鳥亭〜」で火村さんが子供に優しいことと、<20の扉>という遊びを発見。
この遊び、とても面白そうだけど、大人相手でも難しいだろうなぁ。
綺麗にまとめたラストでした。

「絶叫城〜」でアリスが語った『火村は犯人が拠り所としたものを見抜いてしまう』論ですが、まさにその通りだと感じました。
火村さんが犯罪心理を読み取ってしまうため、それ以上の反論ができなくなるのですね。
(犯人に抗弁する余地があるということは、推理としてはどうかと思いますが。)

短編なので、少し物足りない気もしますが、それぞれしっかりした論理で謎が解明されていて、とても満足でした。

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たかじょう > おはようございます!<20の扉>ありましたね!なかなか難しそうだったのを覚えています。子ども相手って頭が柔らかいだけに難しそうですよね〜。どの作品もキレイにまとめられていましたが、短編なのでやっぱりちょっと薄い印象があったのを覚えています。「絶叫城」の「ナイト・プローラー」って他の作品でも出てきたような。。。うろ覚えですみません。 (2005/09/30 07:55)
めみ > たかじょうさん、おはようございます♪<20の扉>、小さい子は「なんで?どうして?」とよく聞くので、考える力がついて良いかもしれませんね〜。こちらも頭が柔軟になりそう。短編ですが、一つひとつの作品のオチは大好きです♪「お〜!そうきたか〜」と思わされましたよ。とても読みやすいし。私は「ナイト・プローラー」は初耳だったのですが、たかじょうさん、もしかしてゲーム版の「絶叫城」を・・・?無いってば(笑)。 (2005/09/30 09:18)
posted by めみ at 15:33| 有栖川有栖

2005年09月27日

双頭の悪魔/有栖川有栖 ★★★★☆


心に深い傷を負ったマリアは、四国にある隠れ里、木更村に入ったまま、連絡が途絶えてしまう。
マリアの父から相談を受けた江神、有栖、織田、望月らは、彼女を連れ戻すため四国へ向かう。
木更村の館では、芸術家たちが自給自足で生活しており、マリアとの面会をことごとく拒否された一行は、強行に館へ突入する。
結果、江神のみ木更村に留まることができ、残りの3人は、橋を挟んで向かいの村に滞在することになる。
その後、二つの村で殺人事件が起こり・・・。


当分、ちょっとした「有栖川祭り」を開催できるほど、図書館で大量に借りてきました。
有栖川作品は短編集しか読んだことがなく、この際どっぷりと浸ってみます。
アリスとマリアの交互の視点で語られるのですが、江神さんのキャラが最高にツボです。
どうも「クールなのにお茶目」という設定に弱くて・・・。
その効果もあり、次々と頁が進みました。
アリスの場面になると、テンションがやや低めになりましたが。

文体が読みやすいため、細かい描写も、しっかりと頭に叩き込めるのが嬉しいです。
プワァ〜と読んでしまいがちな私には珍しく、真相で伏線の箇所がわかっても、読み返す必要がありませんでした。
よく、「あれが伏線なんて気付かなかった!」という驚きが評価される作品が多いですが、推理するには、本作のように丁寧に提示されている方が断然良いですね。
「フェアの精神」へのこだわりが伝わってきました。

また「読者への挑戦」が魅力的!それも3回も!
トリックや動機など、幾分の隙もないロジックが繰り広げられます。
一冊で、こんなに何度も驚かされた作品は久しぶりでした。

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たかじょう > おはようございます!「双頭〜」から読まれたのですね。マリアの負った傷についてはよくわからないかもしれないですが、他のキャラについては問題ないですよね。江神部長いいでしょう〜♪火村もいいけど、江神さん大好きなんです。アリスの場面でテンションが下がるって、ウケました!!学生アリスの中では一番好きな作品かな。早く新作が読みたい!
「有栖川祭り」楽しみにしてま〜す♪ (2005/09/28 07:57)
めみ > たかじょうさん、ほんとは「月光ゲーム」から読みたかったのですが、「孤島パズル」とともに、今予約待ちなのです〜(泣)。そのせいで、マリアが「あの事件」を思い出してメソり出す度、軽く逆ギレですよ。わからんっつーの!
確かこの作品、かなり昔にドラマ化された記憶が。マリア役が渡辺満里奈という、少し無理のあるキャスティングで。江神さんは香川照之でこれも微妙。(←芝居は素晴らしいので好きなのですが、江神さんではないだろ。)その時もトリックが凄いと驚いたのですが、今回の読書時にはさっぱり忘れていて再度ビックリ!なんだか得した気分〜♪モチや信長さんの喋りも好きですわ〜。
祭りの内容なのですが、どうも他に長編が見あたらないような・・・。「絶叫城殺人事件」なんて、モロ長編だと思っていたのですが、目次を見るとなんだか違う・・?まぁいいや。堪能しますよ〜! (2005/09/28 16:28)

じゅえん > 最近、月光ゲームから双頭の悪魔まで再読しました。
再読なのにきれいさっぱりトリックも犯人も忘れていて、初読のようにどきどきして読みました。
昔、ドラマがあったんですね。ちょっと見てみたいです。 (2005/09/29 07:15)
めみ > じゅえんさん、再読も楽しめたのですね〜♪私も他の2冊、早く読みたいです。ドラマですが、確かに、村や廃校の雰囲気は出てたような気がするんですけどねぇ。今回、リアルに想像しながら読めましたから。でも、登場人物のイメージが見事に崩れちゃいました〜(悲)。 (2005/09/29 10:19)
posted by めみ at 15:31| 有栖川有栖