ミステリ中心の読書メモ。コメントは何気に承認制です。
2008年09月17日
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 失踪した男は遠く離れた場所で死体となって発見された。 塔と水路の町にある「水無月橋」。 霜の降りるような寒い朝、事件が起こる。 バス停に捨てられていた地図に残された赤い矢印は・・・? 恩田陸待望の新刊。(amazonより)
<それは、なぜかひどく不吉なイメージに思えた>
久しぶりの恩田さんの長編です。 帯に「誰も予想できない結末が待っている!!」とありますが、本っ当〜に予想外でした。 恩田作品でこういう真相って珍しいんじゃないかなぁ。多分。
新聞に連載されていたということで、各章はとても短いです。 全ての章に「〜の事件」というタイトルが付いてますが、事件というより「謎」ですね。
1年前に失踪したまま、遠く離れた町で死んだ男にまつわる謎。 彼は何の目的でこの町に来たのか? 生前の不可解な言動は一体?
住民の回想や証言で男の人柄や行動が明らかになり、短いけれど意外な展開でグイグイ読ませます。 独特の二人称が苦手で、事件を調査する「あなた」の正体が判明するまでは読みにくかったなぁ。 お気に入りは「溺れかけた猫の事件」と「川沿いに建つ洋館の事件」。
「仕掛け」には本当に驚いたし、そのシーンが目に浮かぶようで圧倒されました。 再読すると腑に落ちない点が続々と出てきますが、細かいことを考えなければなかなか満足度の高い作品だと思います。 | |
*戯言(真相に触れています)
posted by めみ at 01:28|
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恩田陸
2008年08月19日
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 音楽ディレクター塚崎多聞のフランス人の妻ジャンヌが突然、里帰りし、そのまま音信不通になって、そろそろ一年になろうとしていた。 多聞はジャンヌの実家を訪ねたが妻はおらず、家族は「いまヨーロッパ中を旅していて連絡が取れない」と言う。 多聞は途方にくれ、奇妙な別居生活は続いた。 そんなとき三人の友人が多聞を「夜行列車で怪談やりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。 四人はそれぞれ怖い話を披露し合うが、途中、多聞の携帯電話に何度も無言電話がかかる・・・。(「夜明けのガスパール」) (帯より)
<怖い話はこんなふうに語るものだ>
『月の裏側』の塚崎多聞が登場するので、長編だと思ってたら短編集でした。 多聞はいい人なんだけど、優柔不断っぽくてあまり好きじゃない・・・。 トラベル・ミステリーなのですが、ミステリっぽさはあまりないかな。 どれもゾッとするけれど後を引く怖さではないので、少しパンチ力不足に感じました。 それが恩田さんらしいのですがね。 お気に入りは「夜明けのガスパール」。 これだけ少し異色で印象に残りました。 | |
posted by めみ at 14:37|
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恩田陸
2008年03月03日
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 友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。 噂によれば、仲間たちはみな、何らかの個人的事情を抱えているらしい。 一見なごやかな宴だが、それぞれが諸事情で少しずつ席を外す間、残った人間は様々に憶測を巡らし、不在の人物について語り合う。 やがて漂う不穏な空気・・・。 噂はどこまで本当なのか? そして、この集まりの本当の意図とは?(帯より)
<人は、その場にいない人の話をする>
『猫と針』は、2007年に「演劇集団キャラメルボックス」のために書き下ろした、初の戯曲とのこと。 本書は、その台本を基に単行本化したものなので、ほぼ登場人物の会話だけで物語が進みます。
少人数の密室劇という恩田作品でよく見られるテーマで、『中庭の出来事』と『木洩れ日に泳ぐ魚』を足したような雰囲気。 テンポが良く、読んでいる間は面白いのだけれど、少々インパクトに欠けるかな。 とても短いし、小説としては物足りないというのが正直な感想です。 でも、5人の登場人物がそれぞれ抱えている事情や状況が次々と明らかになる様子はスリリングで、芝居では見応えがありそう。
恩田作品は、そのままでも舞台化できそうなイメージがあったのですが、あとがきに、小説と戯曲は全く違い、とても苦労したと書いてあって、意外でした。 | |
posted by めみ at 15:14|
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恩田陸
2008年01月08日
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 ホラー、SF、ミステリ、ファンタジー・・・あらゆるジャンルに越境し、読者を幻惑する恩田マジックがひときわ冴える15篇。 恩田版<異色作家短篇集>ここに誕生!
<あれはあの時、あの場所での善だったのです>
う〜ん・・・これは苦手かな〜。 恩田さんの感性についていけませんでした。 ほとんどの作品に対して、「発想がスゴイ!」という驚きよりも、オチが無いことへの脱力感が上回りました。 何とか楽しめたのは、「観光旅行」「エンドマークまでご一緒に」「SUGOROKU」。 残念ながら、心に響くものはありませんでした。 | |
posted by めみ at 12:09|
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恩田陸
2007年09月08日
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 <木洩れ日が綺麗。ここはまるで海の底みたい。>
すごいすごいすごい! でもこれあらすじ書けません〜。
とても切ないストーリー。 私は、恩田さんの恋愛観にかなり共感できるのです。 大好きな『ライオンハート』を超えました。
2人の「謎」の応酬にハラハラドキドキ。 先がまったく読めないし、謎はどんどん増えていくし。 恋愛が絡んで、もうスリルたっぷり。修羅場の連続。 後半のあまりの展開に、ぎぇ〜っと驚愕したり。
そして、終盤、ある真相が判明した時の、彼女の心の変化に鳥肌が立ちそうになりました。 「えええっ!!・・・でも、わかる〜!!!」みたいな。 巧い。巧すぎるよ、恩田さん。
想像だけで解決してしまう謎に少々戸惑いましたが、過去からの解放をイメージさせるラストシーンはとても綺麗でスッとしました。 | |
真相に触れています。
posted by めみ at 17:05|
恩田陸
2007年04月12日
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 『図書室の海』以来、5年ぶりの短編集。 ホラー、ミステリ、SF、ショートショート、奇妙な世界が満喫できます。
『水晶の夜、翡翠の朝』 『ご案内』 『あなたと夜と音楽と』 DJ同士の会話ミステリ。設定に惹かれます。 『冷凍みかん』 どうしてこんな発想ができるのか。 『赤い毬』 『深夜の食欲』 これは恐怖。ゾッとします。 『いいわけ』 モデルが誰なのかさっぱりなのですが。 『一千一秒殺人事件』 シュールです。ラストは笑ってしまいました。 『おはなしのつづき』 結末がただただ切ない。でもあったかい。 『邂逅について』 『淋しいお城』 ミステリーランドの予告編。これが本編でもいいと思うくらい、よく出来たお話でした。 『楽園を追われて』 こういう仲間っていいなぁ。懐かしさが漂います。 『卒業』 スプラッタホラー。説明が一切ないのに、なんでこんなに迫力があるんだろう。 『朝日のようにさわやかに』 全く別のエピソードが互いに繋がっていく様が面白いです。
帯に「この一冊で恩田陸の作品世界が一周できる!入門書としても最適。」とありますが、本当に恩田作品の魅力が凝縮されています。 贅沢な一冊でした。 | |
posted by めみ at 22:50|
恩田陸
2006年05月09日
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 <ひょっとして、今、何か凄いものを見ているのかもしれない。>
読み始める時間帯を間違えたため、晩ご飯抜きで没頭しました。 面白すぎて止まらない!
物語のテーマは舞台劇。 求められる芝居はどれも一筋縄ではいかないものばかりで、役者がどういう解釈をし、機転を利かせるかが見所なのですが・・・。 これが素晴らしい! 活字だなんて嘘でしょ?と思わせるくらいの臨場感! それぞれの役者の情熱や、飛鳥の芝居を目にした劇団員や業界人の驚きが、これでもかと伝わってきて、終始ゾクゾク痺れっぱなしです。
女優にとって恵まれた環境に育ちながらも不安を抱えている響子と、突出した才能を持ちながら、その自覚がない飛鳥。 私も『ガラスの仮面』にハマっていたので、あの興奮を思い出してしまいました。 漫画も素晴らしいですが、小説でこれほどの迫力を出せるなんて・・・さすが恩田さん! しかし、飛鳥はマヤ、響子は亜弓・・・と、ここまでは良いのですが、響子の親戚・葉月のイメージがどうしても寺島しのぶさんなんですよね。不思議。
飛鳥の才能はとても魅力的なのですが、響子に比べると内面が少し掴みにくかったかな? 彼女がもっと貪欲になっていく姿も見たかったですね。
2人はこれから「紅天女」を目指すのでしょうか。
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まゆ > 晩御飯抜きで・・・わかります、その感じ。活字でこの迫力、すごいですよねえ。飛鳥の初舞台の2バージョンの演技、オーディションでの響子のブランチとのからみ、圧倒されました。葉月はやっぱり寺島しのぶですよね。 (2006/05/12 19:57) めみ > まゆさんも「寺島しのぶ」のイメージを解って頂けましたか!嬉しい♪飛鳥の才能が凄過ぎるため、「凡人には理解し難い」というところも描かれていたのがリアルでした。恩田さんの「読者を惹き込む筆力」を存分に発揮できるテーマだったのではないでしょうか。いやぁ、しかし本当に圧倒されました〜。 (2006/05/13 13:26) chii > 始めまして♪ヨロシクお願いします。「チョコレートコスモス」読みたいんだけど順番待ちです。舞台のお話し・・・題名からは、想像つきませんでした。 (2006/05/14 19:38) 風舞 > ガラスの仮面の大ファンです。恩田陸さんの大ファンです。 チョコレートコスモスという題からは、想像もつかない内容みたいですね。 …読みます。読むしかなさそうです。 (2006/05/14 23:15) めみ > chiiさん、はじめまして♪こちらこそよろしくお願いします。私も図書館から借りるのにかなり待ちました〜。凄い人気ですね!ラストで、このタイトルの意味が明かされますよ。早くchiiさんの手に届くと良いですね☆ (2006/05/15 00:25) めみ > 風舞さん、まゆさんが仰る通り『ガラスの仮面』にハマった方なら間違いなく満足できますよ♪自然にストーリー展開の予想がつくにもかかわらず、ぐいぐい読ませる筆力はやはり素晴らしいです。風舞さんのご感想、お待ちしております☆ (2006/05/15 00:58) 風舞 > チョコレートコスモス、読み始めました。 これはもう、たまらなくおもしろいです。 仕事の休憩中に読んでいるのが、運の尽き。しぶしぶ本を閉じ、仕事に戻らざるをえず…。読み始める時間帯を、気にしたい作品ですね…。 (2006/05/30 20:32) めみ > 風舞さん、読まれているのですね♪ああ・・・そのしぶしぶ感、とても分かります!私のように「晩御飯抜き」ならともかく、お仕事となるとそうもいきませんものね・・・。早くこの世界にどっぷり浸れると良いですね。ご感想、楽しみにしております♪ (2006/05/30 23:27) 風舞 > しびれました。すごいです…。 この感動を表現するだけの表現力が無いのが悲しいです。 (2006/06/01 07:29) めみ > 風舞さん、大満足されたのですね!感動と興奮がとても伝わってきましたよ〜。共有できてこちらも嬉しいです♪ (2006/06/01 13:03) | |
posted by めみ at 17:43|
恩田陸
2006年03月24日
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 あの夏の日、少女たちは川のほとりにある「船着場のある家」で合宿を始めた。 夏の終わりの演劇祭に向けて、舞台背景の絵を仕上げるために。 それは、楽しく充実した高校生活の最高の思い出になるはずだった。 ひとりの美しい少年の言葉が、この世界のすべてを灰色に変えるまでは・・・。 そして、運命の歯車は回り始めた。 あの遠い夏の日と同じように。(帯より)
帯のあらすじや序盤の雰囲気がとても幻想的だったので、まさかこんな物騒な事件を中心に話が進むとは思いませんでした。 ミステリ?ミステリなの?と少し不安に。
第1、2部のラスト、急展開の兆しをチラリと覗かせる手法が巧い! もう先が知りたくて一気読みです。 各章ごとに出版されたということですが、私なら次巻を待つのに耐えられなかっただろうなぁ。
香澄と芳野は、なぜ合宿のメンバーに毬子を選んだのか。 月彦から毬子への忠告の真意とは。 暁臣が知っている毬子の秘密とは。 そして、あの夏の日、一体何が起こったのか。
新しい事実が次々と発覚し、ワクワクします。 語り手が変わるたび、謎の焦点が少しブレてしまったようにも感じましたが、叙述トリックっぽい仕掛けには素直に驚きました。 真相も綺麗にまとめられていて満足です。
終章がとても良かった。 ずっと彼女の想いが知りたかったのです。
久しぶりに耽美な世界を満喫しました。
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キイロイトリ > めみさん、こんばんは♪それぞれの章で視点が違っているので、おもしろくてよかったです。私が読んだのは3分冊のものだったのですが、1冊にまとまった本が出版されていたのですね。 (2006/03/24 21:15) まゆ > 私も3分冊で読みましたよ〜。4ヶ月待ちました。特に2巻の終わりでは「えええ!これで終わり!次をどうやって待ったらいいの〜!」と(笑)もう一度まとめて読んでみたいです。 (2006/03/24 21:30) めみ > キイロイトリさん、こんばんは♪本当に面白かったです!登場人物の誰もがミステリアスで、先の展開が全くよめませんでした。図書館で借りたのですが、3分冊の装丁も素敵でどちらを選ぶか迷いましたよ〜☆ (2006/03/24 22:35) めみ > まゆさん、なんと4ヶ月ですか!2巻の終わり・・・あはは!確かに!あのまま引っ張られるのは辛いなぁ(笑)。とてもドラマチックでしたもの。私は幸か不幸か、3分冊の出版には全然気付かなかったのですよ。今回ストレス無く読めて、申し訳ないくらいです(笑)。 (2006/03/24 23:11) kanakana > 私もめみさんと同じく1冊で読みましたよ〜。表紙が酒井駒子さんの画だったせいもあるのか、幻想的な雰囲気がしたなぁ。登場人物が美少女ばかりだったのも、読んでいて楽しかったです(中年男性みたい。。。?) (2006/03/26 20:13) めみ > kanakanaさん、酒井さんの装丁はこの雰囲気にピッタリでしたね。手触りが少し粗めで、幻想感アップでした♪ち、中年男性(笑)!分かります〜。私も読書中、つい目を細めるといいますか、口元が緩むといいますか・・・危険。「美」のイメージはおぼつかないのですがね(笑)。 (2006/03/26 23:10) | |
posted by めみ at 17:22|
恩田陸
2006年03月01日
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 <たんぽぽの綿毛が風に運ばれていく未来。 それがどんなものかは見当もつきませんでした。>
もう・・・素晴らしかったです。 『光の帝国』でボロボロに泣いてしまったため、この続編を読むのに相当な覚悟が必要でした。 しかし、読んで良かった・・・!
20世紀初頭、静かな農村地帯が舞台。 医者の娘である峰子は、名家槙村家の病弱な末娘・聡子の話し相手を頼まれる。 そして、峰子は対面した瞬間から、美しく聡明な聡子に惹かれていく。 そんなある日、謎の一家4人が槙村家を訪ねてくる。 彼らは「常野」だった。
峰子の穏やかな語り口がとても心地良いです。 静かで美しい風景がふんわりと思い浮かぶようでした。 しかし、読み始めから既にうっすらと涙が・・・。 終盤の展開に対する予感があったのかもしれません。
椎名と永慶の絵に対する聡子の評や、聡子と常野の姉弟との出会い、秘密の場所での峰子と廣隆の語らいの場面。 恩田作品ではその表現の見事さにしばしば鳥肌が立つのですが、今回は終始その状態が続きました。 自分が峰子と同化したかのように、彼女の驚きやとまどいを感じることができるのです。
クライマックスでの、聡子の行動と槙村家当主の温かい笑みに、常野一族とそれを支える人々の宿命の重さを感じて涙が止まりませんでした。 「戦う」ためではなく、「救う」ための力。 聡子の「ありがとう」の意味がわかった瞬間、さらに号泣。
安直な展開を選ばず、敢えて現実を突きつける結末にも胸を衝かれました。 椎名が予言した「地獄」の中で、峰子の最後まで穏やかな、しかし強い訴えが心に響きます。
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まゆ > 最初から哀しい予感がする展開なのですが、何かにひきつけられるように読み進めました。静かで穏やかだからこそ、クライマックスの場面がものすごくインパクトがありました。聡子の思い、峰子の思い、春田家の人々の強い意志・・・涙が止まりませんでした。 (2006/03/01 22:39) めみ > まゆさん、本当に感動しました。ページにぽたぽた涙がこぼれそうになって慌てました・・・(セーフです)。とても短いお話ですが、語るべきことは全て収められているのですよね。胸を締め付けられるようなこのラストシーンは、今までに読んだ恩田作品の中でベストかもしれません。傑作でした。 (2006/03/02 12:46) kanakana > 私は何の予感もせずに(笑)、峰子のおっとりした語りに安心して読み進めていたのです。でもクライマックスでは恩田陸にやられちゃいました。。。洪水のシーンでは涙が止まりませんでした。 (2006/03/02 23:07) めみ > kanakanaさん、私は「光の帝国」の思いもよらぬ展開に愕然としたので、本書もつい身構えてしまいました(心の準備が〜)。終盤まではとても優しく感じたあの文体が、逆に最後の虚無感を際立たせますね。またちょっとうるうるきてます・・・。 (2006/03/03 01:09) | |
posted by めみ at 17:17|
恩田陸
2006年02月23日
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  <知ってるぞ、この効果音はアズキを箱の中で転がすんだよな?>
<誰かが外でアズキ転がしてるっていうのっ>
相変わらず、恩田ワールドは魅力たっぷり。
ただ、今回は序盤からではなく、いつの間にか引き込まれていたという感覚です。 珍しく、V・ファーやアナザー・ヒルのイメージをつかむのに時間がかかりました。 見開き一杯の登場人物は、いっそのこと、「ドミノ」みたいにイラスト付きにして欲しかったかも・・・。
卵が「特別なモノ」と言われると、とても神秘的に思えてくるから不思議。 他にも『夜のテーブル』や『ガッチ』などのイベントが、最高にツボです。 よくこんなアイディア思いつくなぁ。 そして、ジュンが『ガッチ』に参加するシーンは、もうドキドキ。 何も後ろ暗いことなど無いのに、「八つ裂き」の制裁を考えると不安に襲われるジュンの気持ちがとても伝わってくるのです。
V・ファーには日本の神事などがいくつか伝承されていて、民俗学に詳しいジュンが事あるごとに「それは日本でいう○○だよ!」と興奮しながら叫ぶのですが、これがもうさっぱりで。 せっかく日本に住んでいるのに・・・もったいない。
油断したころの凄惨な描写に驚いたり、連続殺人犯の正体にのけぞったり、相変わらず、展開の速さはお見事! 圧倒的なリーダビリティで、ページを捲る手が止まりません。 各所、軽くユーモアも交えていて、何度か声を出して笑ってしまいました。 | |
真相に触れています。
posted by めみ at 17:14|
恩田陸
2005年10月10日
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 10年近く前、「球形の季節」で衝撃を受け、デビュー作の「六番目の小夜子」で心をわし掴みにされた私としては、恩田さんのファンタジックホラーは大好き。 でもでもでも、これは怖すぎです! 「月の裏側」を読んだときも、スティーヴン・キングっぽいなぁと感じたのですが、この作品は一層、雰囲気が似ています。 ゴシック体の多用はもちろん、幻覚の見せ方のあたり、「シャイニング」を思い出したりして。 (パノラマ島のテーマは乱歩ですが。)
謎のアーティスト、烏山響一は、冒頭からすでに胡散臭い雰囲気を放ってます。 登場人物は彼と出会うことで、忌まわしい過去を思い出す思い出す思い出す・・・。 封印した記憶を掘り返されることって、一番の恐怖だろうなぁ。 すごいです。響一の負のパワー。 そのくせ、喋りだすと結構普通なんですよ。もっと無口でないと。
頭上を飛ぶカラスの大群を「クレイアニメ風」と表現したり、登場人物が目にする幻覚や禍々しいモノも、その描写が見事なので、不気味さが倍増します。 切断面とか・・・カステラパンとか・・・。 そして、「柔らかい」インスタレーションで、生理的嫌悪感が頂点に。 この映像化は、勘弁願いたい!
物語は全体的に暗〜く進むのですが、決して「地味」ではありません。 それどころか、すごい臨場感。 中盤からクライマックスにかけて、圧倒されます。 ある人物が登山の途中で豹変するシーンには驚いた・・・。 全く予想してない展開だったので、ゾッとしました。
どうまとめるのだろうと心配していたのですが、このラストで良かった〜。 長い悪夢から、解放された気分です。 どうでも後味を悪くできる流れだったので、よけいにホッと。
しかし、主人公のお姉さん、かっこいい・・・っ! ラストの登場シーンは、頭の中でファンファーレが鳴り響きました。 今回は、全員、じめっとしたキャラだったから、お姉さんの婚約者をもっと絡ませてほしかったなぁ。
なんだか、凄いものを堪能した気分です。
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あん > 恐いですよね…。私はカーテンあたりで酔いそうになりました。あのマークも恐くて、なぜだか『20世紀少年』のともだちマークを思い出しました。でも結局お姉さんが一番強かったんですね。おいしすぎ(笑) (2005/10/10 19:23) まゆ > 恩田フリークの私ですが、これは怖かった・・・というか、気持ち悪かったです。「柔らかい」ところはほんとにカンベンしてくれ!と思いながら読みました。活字でここまで生理的嫌悪を感じさせるなんて、さすがと言うべきでしょうね。 (2005/10/10 19:32) めみ > あんさん、お姉さんは一番美味しいトコ持っていきましたね(笑)。あのマークもすごいインパクト!浦沢直樹さんは『MASTERキートン』と『MONSTER』は読破したのですが、『20世紀少年』は未読なのです〜。読みたい〜。 (2005/10/10 20:23) めみ > まゆさん、ほんとすさまじい筆力だと思います。描写が徹底していて、隙が無いんですよね。「柔らかい」ところは、読むだけでも、立派な罰ゲームですよ!今回、読後はヘトヘトでした〜。 (2005/10/10 20:33) kanakana > 私は、「リング」と「パノラマ島奇談」を連想しましたよ〜。どっちも未読なのでイメージなのですが(笑) 主人公のお姉さんは、私もかっこ良く思いました♪ (2005/10/10 21:08) めみ > kanakanaさん、私もあの野外美術館は、乱歩の「パノラマ島」をイメージしました♪とても魅力的な題材ですものね。恩田さん流のアレンジは、やはり素晴らしいです。まさかお姉さんが真の主役だったとは、驚きでした♪ (2005/10/10 21:40) | |
posted by めみ at 15:41|
恩田陸
2005年09月22日
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 『MAZE』に続くシリーズ第二弾。
『MAZE』は、とても壮大な謎がテーマだったので、今回は舞台が国内だということが意外でした。 でも、すぐにそんなことを気にならなくさせてくれる、インパクト大の恵弥。 ある意味、恩田作品の中で一番好きなキャラかも(笑)。
不倫を続けるため出て行った妹を説得するため、H市へやってきた恵弥。 着いたその日に、不倫の相手である博士の葬式に出ることになる。 博士が調べていたという「クレオパトラ」の謎とは?
うんうん。なんだかトントン拍子に事が進んで、私好み。 恵弥の妹がこれまた変わった雰囲気で。 彼が妹に振り回されたり裏切られたりする度、「放って帰っちゃえっ」と思う薄情な私。 最後にはその悲しい事情を知ることになるのですが・・・。
主人公がさり気ない風を装って、ズバッと真相を言い当てるシーンは恩田作品ではおなじみなのですが、完全に油断している私は、いつもかなりの衝撃を受けます。 その真相も二転三転してしまうし・・・。 今回も誰が敵で味方なのか、さっぱりわからないままラストへ。
地図から導き出される「クレオパトラ」の、夢のように儚い真実。 恵弥の辿り着いた結論には、ちゃんと納得することができました。 H山のシーンは、あの美しい夜景を思い出しながら、しみじみとなりました。
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まゆ > 恵弥が「MAZE」で初登場した時、まさか彼を主人公にした続編が書かれるとは予想もしませんでした。しかし、いいキャラですね。H市は好きな場所なので、具体的に場所をイメージしながら読めるのがうれしかったです。ミステリとしてはその謎解きはどうよ?と思わないでもなかったですが、そこまでの二転三転する緊迫感はすごかったです。恵弥シリーズはもう一作書かれる予定らしいので、楽しみです。 (2005/09/23 19:00) めみ > まゆさん、今回はミステリ色が濃かったですよね。現実味があるような、ないような、不思議な印象が。でもしっかり楽しめました♪恵弥はいつも台詞だけ読むと、ものすごく男前なピーコさんをイメージしてしまうのですが、強くてお茶目で、大好きなキャラです。また続編が出るのですかっ!それは嬉しい〜!異色のキャラだし、恩田さんもお気に入りなのかしら?H市は、ほんと素敵な街ですよね。懐かしいです〜。次はぜひ、本書の地図に沿って旅したいなぁ。 (2005/09/23 20:13) kanakana > お姉キャラが世間に浸透したせいなのか、シリーズ前作よりも面白く読みました。恵が追っている謎に、妹の恋愛が絡んでくるのも面白かったです。 (2005/09/23 21:29) めみ > kanakanaさん、お姉キャラ(笑)いかにも!今回は主役だし、恵弥を取り巻く環境が詳しく描かれていて、大満足でした♪双子の妹の考えがさっぱりわからなくて、始終、不審に思っていたのですが。謎を複雑にするには、効果的でしたね。 (2005/09/23 22:38) | |
posted by めみ at 15:21|
恩田陸
2005年09月13日
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 山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティ。 その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。 果たして犯人は・・・。 巧妙な仕掛けで読者に挑戦する渾身の一作。 この殺人事件は真実か幻か!?(帯より)
上の帯の惹句で「ああ、きっと夢と現実が入り乱れる話なんだろうなぁ」との構えが。 今回もミステリは頭から追いやって、耽美な雰囲気にどっぷりと浸りました。 なんだかもう美麗な男女が大集合ですし。 特に、女性の目から見ても、桜子さんにはもう惚れ込んでしまいます。 美しく聡明で、気が強いけれど、どこか儚げで。 周りの人が彼女の一挙一動に目を奪われる度に、私までうっとり。 たとえ不道徳な関係でも、美男美女だと美しく映るのだなぁ・・・と妙に納得したりして。 各章ごとに殺人が起こり、次の章ではその被害者が生きている。 こういう不思議なストーリー展開も大好きなのです。
ラストは多少強引な気がしますが、もうどうでもいいです。 オチを気にすると恩田作品は読めないと思うので。
映画『去年マリエンバートで』は観たことはないのですが、あらすじや賛否両論の批評を読んだことがあります。 この映画が恩田さんの好みと知り、少し納得がいきました。←観てないくせに。 本書にはかなりの引用がなされていて、最初は辛抱強く読んでいたのですが、だんだん本筋に影響がないと気付き、読み飛ばすように・・・。 著者あとがきで「『去年〜』が『夏の名残り〜』を最後まで導いてくれたのだ」とのあまりの心酔ぶりに驚き、恩田さんが希望したであろう読み方が出来なかったことを悔やみました。 でも、最初から読み返す気にもなれず・・・さらに残念です。
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kanakana > 章ごとにストーリーが次々変わっていき、変奏曲のようなお話でしたね。人の記憶は本当に正しいのか?自分が覚えたいように覚えているだけじゃないのか?なんてことを感じながら読みました。 (2005/09/13 18:44) めみ > kanakanaさん、こんばんは〜♪本当に次々と変わるストーリー、不条理だけどそこが美しいのですね。それぞれの願望がこんなにも完璧な幻影を作り出してしまうなんて、考えると確かに怖いです〜。 (2005/09/13 19:50) まゆ > こういう世界を創りだせる作家さんって、いそうでいないと思うのです。つくりものなんだけど、美しくって魅力的。わかっていても、読まずにはいられない。恩田陸フリークのワタクシは、堪能させていただきました。 (2005/09/13 20:33) めみ > まゆさん、こんばんは〜♪こんなにも作品の世界に浸ることができるって、本当に幸せなことだと思います。読後もしばらく夢心地ですもの。映像化して欲しい気持ちがあるのですが、きっと恩田さんの筆力には劣ってしまうのでしょうね・・・。 (2005/09/13 21:15) | |
posted by めみ at 15:07|
恩田陸
2005年09月11日
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 「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」 亡き祖母の奇妙な遺言により、白百合荘へと移り住むことになった理瀬。 白百合荘には義理の叔母、梨南子と梨耶子が住んでいて、亡き祖母が理瀬に託したとされる秘密を探ろうとする。 その館周辺で起こる小動物の変死、祖母の死因の謎、館にまつわる秘密とは?
「麦の海に沈む果実」の続編です。 「麦の〜」はかなり以前に読んだのですが、つい最近アンソロジーで「水晶の夜、翡翠の朝」を読んだおかげで、設定を思い出すことができました。 またそれとは別に、睡蓮が出てくる話で従兄弟も登場していたような気が。しかし曖昧。 何より理瀬はこんなキャラだったっけ?と、また記憶を遡ったり。 あの学園内ではその設定も自然に受け入れられた父親も、この作品で「変態、変態」と連呼されることに虚しさを感じたり。
恩田作品では、常に幻想的で詩的な表現を楽しんでいるので、あまりミステリを重視してはいません。 展開が全く予想できないストーリーは、他の本格ミステリ以上に面白く、どんどん読み進めてしまいます。 いくつもの謎と理瀬の淡い恋心。 自分の宿命の重さのあまり、周りと距離をとってしまう理瀬。 理瀬や稔のいる「側」に行くことができない亘のもどかしさ。 とても感情移入できる設定ではないはずなのに、強い魅力に吸い込まれそうになります。 終盤にはとてもエキセントリックな人物により、嫌〜な気持ちにさせられました。 彼らはあのままでもいいの?
ミステリだと思っていないぶん、謎解き云々はかなり甘い目で見るようにしています。 でも、今回は他の作品に比べて、意外に納得できるような真相だったのでは。 あのどんでん返し(先にイラストに目がいってしまったので、思いっきりネタバレでした)は、とってつけた感がありますが。 冒頭の「ある独白」の語り手が判明するラストはとても綺麗でした。
冒頭の「ある独白」の語り手が判明するラストはとても綺麗でした。
-------------------------------------------------------------------------------- kanakana > めみさん、はじめまして♪「麦…」のほうが雰囲気が好きですが、「麦…」で記憶を失っていた理瀬の本領発揮している感があり良かったです。ラストに第3作を予想されるようなフレーズがあったので、楽しみにしているんですが、どうでしょう?! (2005/09/11 10:17) kanakana > 追伸です、スミマセン。。。めみさんのおっしゃるとおりですよ。「図書室の海」の中の「睡蓮」という短編に、幼い頃の理瀬といとこの兄弟が出てきます♪ (2005/09/11 10:19) めみ > kanakanaさん、はじめまして♪そうでした!「麦〜」では理瀬は記憶を失っていたのでしたね。初歩的ド忘れでした・・・。雰囲気が違ったのはそのせいですね。私も、このシリーズはさらに続くと感じました。期待しちゃいますね♪「図書室の海」でしたか〜。どこで読んだのか思い出せなかったのです。スッキリしました!ありがとうございます〜。 (2005/09/11 10:57) まゆ > 「麦海」とはまた違って、ダーク理瀬の本領発揮ですね。稔と亘は「睡蓮」読んで以来気になっていたので、再登場してくれてうれしかったです。亘はある意味幸せなヤツですね。 (2005/09/11 18:34) めみ > まゆさん、はじめまして♪闇の世界にいながらも、少し揺れ動いている理瀬が垣間見れましたね。せつないっ。私も、稔たちは短編だけで終わるには勿体ないキャラだと思ってました。これからの活躍も楽しみです♪亘の村八分意識もわからないでもないのですがね〜。本書で気持ちにケリはついたのでしょうか。 (2005/09/11 20:08) | |
posted by めみ at 15:03|
恩田陸
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